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GARMIN、スマートウォッチ分野で先駆者であることをアピール

新モデル発表会を開催、ジュビロ磐田の松井選手も登場

 携帯用GPS端末でシェアトップを誇るGARMINは11日、ヘルスケア用ウェアラブルデバイス「vivofit 3」と、マルチスポーツ用のGPSスマートウォッチ「fenix3J」の新モデル2製品を4月21日に発売すると発表した。

 両製品の発表にあたり、同社は正規代理店の株式会社いいよねっとと共同でプレス向けの発表会を開催し、アジア地区担当の幹部による発表のほか、同社製品の活用事例として、いいよねっとがサプライヤー契約を結んでいるプロサッカークラブ「ジュビロ磐田」の松井大輔選手も会場に登場した。

新製品「fenix 3J Sapphire Titanium」を腕に付けた松井大輔選手(中央)

 GARMINは1989年に設立されたデバイスメーカーで、アウトドア、フィットネス、自動車、海洋、航空などさまざまな分野において、登山用ハンディGPSのほか、GPSランニングウォッチやGPSサイクルコンピューター、PND、ドライブレコーダー、魚群探知機などさまざまな製品を提供している。

ハンディGPS
自転車向け製品

 アジア地区担当セールスディレクターのトニー・アン氏は、アウトドア向けハンディGPSやGPSランニングウォッチ、GPSサイクルコンピューターなどにおいて同社は日本でシェアトップを獲得していると述べた。今後のビジョンとしては「現在、製品を供給している市場の各セグメントにおいてグローバルリーダーになる」と語った上で、これから注力する分野として、アウトドアやフィットネス分野を挙げた。特にウェアラブルデバイスの市場は拡大してきており、この分野で伸ばしていくという。

GARMINアジア地区担当セールスディレクターのトニー・アン氏

 続いて登場したのが、アジア地区担当シニアマーケティングマネージャーのスコッペン・リン氏。リン氏は歴代のGARMIN製デバイスを振り返る中で、2003年8月に発売したリストバンド付きGPS搭載のパーソナルトレーニングデバイス「ForeAthlete 101」を紹介し、「GARMINはスマートウェアラブルデバイスのパイオニアである」と、同社がスマートウォッチ分野では先駆者であることをアピールした。

GARMINアジア地区担当シニアマーケティングマネージャーのスコッペン・リン氏
「ForeAthlete 101」

 今回発売を発表したのも、トニー氏が今後注力すると語った2分野における新製品で、フィットネス分野からは「vivofit 3」、アウトドア分野からはマルチスポーツ用のGPSスマートウォッチ「fenix 3J」の新モデル「fenix 3J Sapphire Titanium」および「fenix 3J HR」を発売する。

 vivofit 3は365日24時間の歩行・運動などのライフログデータを記録するためのアクティブトラッカー(活動量計)で、価格は1万1852円(税別)。同シリーズとしては初のカラーディスプレイ搭載モデルで、着せ替えバンドも用意する。彫刻から着想を得た「スカルプテッドシリーズ」や、インテリアデザイナー・陶芸家として知られるジョナサン・アドラー氏とのコラボレーションラインも提供する。

「vivofit 3」
ジョナサン・アドラー氏とのコラボモデル

 fenix 3J Sapphire Titaniumは、2015年に発売した「fenix 3J」のプレミアムモデルで、ベゼルとメタルバンドにダイヤモンドライクコーティングを施したチタンを採用。ガラスには傷に強いサファイアガラスを採用する。また、同時発売の「fenix 3J HR」は、Apple Watchなどにも採用されている光学式心拍計を搭載しており、胸ベルト式の心拍計が不要で心拍数を測定できる。価格は、fenix 3J Sapphire Titaniumが13万8000円(税別)、fenix 3J HRが8万2000円(税別)。

「fenix 3J Sapphire Titanium」
「fenix 3J HR」
光学式心拍センサー

 発表会では最後に、ジュビロ磐田の松井大輔選手が登場し、同チームの選手がGARMINのGPSランニングウォッチ「ForeAthlete225J」を使ってトレーニング中の移動速度や心拍数を測定していることを紹介した。

 「練習の時に(ForeAthleteを)忘れると罰金という決まりになっています(笑)。練習中は常にこれを装着して、ペースや心拍、ピッチデータなどを測定し、携帯電話で見たり、紙に貼り出された測定データを見たりしています。ランニングの時に1km何分で走っているかが確認できるのはとても便利だし、フィジカルコーチにとっても選手のさまざまなデータを確認できるのは良いことだと思います。」(松井選手)

 このような機器を使って測定したデータをトレーニングや実戦に生かしているのは、松井選手が所属したチームの中では初めてだという。

松井大輔選手
ジュビロ磐田のグラウンドにおける選手の走行軌跡

 GARMINが今回のようにプレス向けに大きな発表会を日本で開催したのは初めてのことで、新製品に対する強い意気込みが感じられた。今回の発表では、vivofit 3でデザイナーとのコラボモデルが用意されたり、fenix 3Jのプレミアムモデルが登場したりと、機能面だけでなくデザイン面でも選択肢が広がり、ユーザーにとってより魅力的なラインナップとなった。

 なお、同社は2016年1月、新たな製品としてスマートグラス「Varia Vision」を海外で発表している。Varia Visionの発売時期をトニー氏に尋ねたところ、日本での発売は今年7月を予定しているとのこと。vivofitやfenixなどの“売れ線”の商品だけでなく、Varia Visionのような新機軸の製品の動きも気になるところだ。

(片岡 義明)