レビュー

東芝の新電子書籍ストア「BookPlace Cloud Innovations」レビュー

対応端末の充実とポイント連携が魅力。ラインアップの充実が今後の課題

 東芝は4月4日、電子書籍ストア「BookPlace Cloud Innovations」を開始、同日より専用電子書籍端末「BookPlace MONO」の発売や、BookPlaceのAndroidアプリ、iOSアプリをリリースした。

 これまでも東芝はトッパングループのBookLiveと協業し、BookLiveのシステムを使いながらBookPlaceの名称で電子書籍ストアを運営していたが、今回サービスを開始した「BookPlace Cloud Innovations」は東芝が独自でシステム構築および運営を行なうサービス。これまでのサービスは「BookLive for Toshiba」と名称を変更し、BookLiveがサービスの運営を継続する。旧サービスはBookLiveの会員登録システムを利用していたため、サービス名称変更後もBookLiveとして引き続きサービスが利用できる。

 協業を行なっていたBookLiveも含め、ソニーの「Reader Store」、Amazonの「Kindleストア」、楽天の「楽天kobo」など総合型の大規模電子書籍ストアが乱立する中、独自システムを構築して新規参入を図ったBookPlace。既存サービスと比較しつつ、サービスの詳細や使い勝手などをレポートする。

AndroidとiOSに対応。電子ペーパー搭載の専用端末も発売

 BookPlaceがサービス開始から対応する端末は、専用の電子書籍端末「BookPlace MONO」に加え、スマートフォンはAndroidとiOSに対応するなどモバイルでの読書環境はほぼサポート。対応OSもAndroidが2.3から4.1.1、iOSが5.1.1から6.1.2と、旧バージョンのOSも対応している。

 楽天koboのiOSアプリリリースがサービス開始から約9カ月かかり、Reader Storeが未だにiOSアプリをリリースしていないことを考えると(海外ではリリース済み)、新規に立ち上げたサービスながらも開始時点での対応端末は充実していると言えるだろう。

専用電子書籍端末「BookPlace MONO」
Androidアプリ
iOSアプリ

 1アカウントで利用できる端末数は最大5台までと、BookLiveやReader Storeと同程度の数。6台目以降を追加したい場合、すでに登録済みの端末をサインアウトすることで追加が可能だ。ただし、同一月内にサインインできる端末数は7台まで、1つの端末に別のアカウントでサインインできるのは2台までという制限が設けられている。

 専用の電子書籍端末「BookPlace MONO」は、758×1024ドット表示の6.0インチ電子インクパネルを搭載。OSはAndoid 2.3.4をベースとしているが、独自カスタマイズが行なわれているためGoogle Playを使ってアプリをインストールするといったスマートフォン的な利用はできず、あくまでBookPlaceの専用端末として利用する。

本体パッケージ
本体前面。下部にホームボタン
スリープ時の画面
本体底面にストラップホール、イヤフォンジャック、電源ボタン、Micro USBポート
左側面下部にmicroSDカードスロット
設定画面

 本体サイズは約110×170×9.5~9.9mm(横×縦×厚)、重量は約180gで、フロントライトは非搭載。また、通信機能はIEEE 802.11b/g/nに準拠した無線LANのみで、3Gなどの通信回線には対応しない。物理ボタンはホームボタンのみを搭載し、それ以外のソフトはディスプレイ側のソフトボタンで行なう。

 スペック面ではCPUにFreescale i.MX508(800MHz)を搭載し、メモリは512MB、内蔵ストレージは4GB(実際に利用できる容量は2.59GB)。接続端子は充電にも利用するMicro USBポート、ヘッドフォン端子を搭載。なお、現状ヘッドフォンを利用する読み上げ機能は非対応だが、近日中に読み上げ機能にも対応予定という。microSDカードスロットも搭載し、最大32GBまでのmicroSDHCカードを利用できる。

microSDカードに電子書籍を保存できる
内蔵ストレージ容量

 バッテリーはリチウムイオンバッテリーを採用。容量は非公開だが、駆動時間は約8000ページを公称。充電時間は本体の電源オフ時で満充電まで約5時間を公称する。

 他サービスの端末と比べてフロントライトや通信機能に対応しないなど非常にシンプルな作りながら、メモリ容量については2GBが主流となっている中で、BookLiveの「Lideo」と並ぶ最大クラスの4GBを搭載。ディスプレイも6インチサイズでは最大クラスの解像度であり、シンプルながらも実用で重要となる容量が考慮されている。

 なお、BookPlace MONOのスペック詳細については、「PC Watch」のレビューも参照して欲しい。

◇【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】東芝「BookPlace MONO」
    ~コンテンツセットで9800円から買える6型E Ink端末
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ebook/20130424_597144.html

【電子書籍端末のスペック比較】
製品名本体サイズ重量ディスプレイ通信フロントライトストレージmicroSD
BookPlace MONO110×170×9.5~9.9mm180g6インチ
758×1024ドット
無線LAN×4GB
BookLive!Reader Lideo110×165×9.4mm170g6インチ
600×800ドット
無線LAN/WiMAX×4GB×
Kindle Paperwhite 3G117×169×9.1mm222g6インチ
758×1024ドット
無線LAN/3G(ドコモ)2GB×
Kindle Paperwhite117×169×9.1mm213g6インチ
758×1024ドット
無線LAN2GB×
PRS-T2110×173×9.1mm164g6インチ
600×800ドット
無線LAN×2GB
PRS-G1110×173×9.4mm185g6インチ
600×800ドット
無線LAN/3G(au)×2GB
kobo glo114mm×157mm×10mm185g6インチ
758x1024ドット
無線LAN2GB
kobo mini102×133×10mm134g5インチ
600×800ドット
無線LAN×2GB×

書籍の購入はブラウザ経由。BookLiveライクな購入画面

 書籍の購入はブラウザから行なう仕組みで、iOSとAndroidは標準搭載のブラウザアプリなどを、BookPlace MONOは内蔵のブラウザ機能を使ってサイトにアクセスする。なお、PC版はサービスの紹介が表示されるだけで、PCのブラウザから購入して端末にダウンロードすることはできないが、東芝によれば5月にはPCからの購入に対応し、今夏にはPCからの購読にも対応する予定という。

Androidでストアへアクセス
BookPlace MONOは内蔵のブラウザ機能でストアにアクセス
PCでWebサイトにアクセスするとサービスの紹介を表示

 なお、ブラウザ機能を内包したBookPlace MONOはもちろんのこと、Androidアプリでもメニュー画面に「ストア」アイコンが表示され、タッチすることでBookPlaceのWebサイトへアクセスできるが、iOSアプリではストアアイコンが存在せず、アプリからWebサイトへアクセスする手段がない。この点はBookLiveやKindleといった他のアプリでも同様の仕様となっているため、アプリ側の制限が行なわれているのかもしれない。

 利用にはユーザー登録が必要で、メールアドレスとパスワード、性別、生年月日を初回に登録。決済は現在のところクレジットカードのみだが、後述する提携書店などで購入するとついてくるポイントを利用して購入することも可能だ。

ユーザー登録

 ストアのWebサイトは非常にシンプルで、ジャンル別や著者別といったカテゴリや、100円セール中のキャンペーンなどはあるものの、特集コーナーなどは存在せず、ランキングで表示される冊数も非常に少ない。サイトにアクセスしてお勧めの電子書籍を購入するというより、指名買いでなければ購入が難しい構成だ。このあたりはラインアップの拡充に合わせて対応を期待したい。

 購入の際は一部のみを試し読みできる立ち読み機能のほか、気になる書籍の情報を登録しておく「キープ」、まとめて購入するための「カート」といった機能を搭載。書籍を1冊単位ですぐに購入することはできず、いったんカートに入れてから購入手続きを行なう流れになっている。

書籍の詳細画面

 BookPlace MONOから購入する際はパスワードを入力後、ポイント利用の選択画面、決済方法の選択画面に続き、購入内容の確認画面を踏まえて購入が可能になる。スマートフォンから購入の際はポイント利用と決済方法が同一画面で表示されるため購入手順は一手少ないが、他の電子書籍ストアでは書籍を直接購入するボタンが用意されていることを考えると若干の手間がかかる。

購入前にパスワードを登録
購入内容の確認画面
ポイント、決済方法の指定
支払い方法の確認
購入した書籍は本棚にダウンロードできる

 書籍を直接購入する機能こそないものの、パスワードを入力して確認画面を標準する一連の流れはBookLiveとほぼ同等の流れ。東芝ではBookPlaceのシステム構築に関する詳細は非開示としているが、BookLiveのシステムを利用していた旧サービスのユーザーも違和感なく利用することができそうだ。

シンプルながら使いやすい読書機能。コミックの横表示見開きも対応

 購入した書籍は端末の本棚画面へ自動的に同期。書影が半透明になっている書籍は本体にはダウンロードされておらず、書影をタッチすることで実際にダウンロードできる。また、ダウンロード中の書籍表示にも対応しており、書籍全体のダウンロードを待つこと無く、ダウンロードが完了したページから次々に読んでいくことが可能だ。

 他の端末で同期した時などダウンロードの書籍が複数ある場合、設定から未ダウンロードの書籍を一括ダウンロードすることもできる。なお、一度購入した書籍は削除した場合も書影としては残り続ける仕様になっており、購入履歴から完全に削除したい場合は窓口へ問い合わせる必要がある。

端末の本棚画面
一覧表示
設定画面

 読書機能は非常にシンプル。目次機能やフォントサイズの変更、バーによるページ移動やしおりといった基本機能は備えているが、指定した単語や語句のハイライト機能、辞書機能、ソーシャルメディアへの連携機能などは備えていない。

BookPlace MONOで書籍を表示
BookPlace MONOでコミックを表示
Androidアプリで書籍を表示
読書機能はシンプル
Androidアプリでコミックを表示

 一方、書籍の読んだページを複数端末で同期する機能や、作成した本棚を同期する機能など同期機能は充実。ページの同期はどのサービスでもほぼ実装されているが、本棚の同期をスマートフォン、電子書籍端末すべてで対応しているサービスはBookLive程度で、複数端末を利用しているユーザーには嬉しい機能だ。ただし、BookLiveのようにコミックなどのシリーズ作品をまとめて表示する機能や、未購入のシリーズ作品を自動表示する機能は備えていない。

本棚機能。すべての端末で作成した本棚や本棚ごと分類した書籍を同期できる

 あくまで限定された環境ながら面白い機能が、コミックの横画面見開き表示機能。画面の小さな端末ではさほど役に立たないが、タブレットなど画面の大きな端末であれば2ページを1画面に表示できる。2画面ディスプレイを備えた「MEDIAS W N-05E」で表示したところ、BookLiveでは画面中央に1ページのみ表示されたり(作品によっては2画面にも対応)、Kindleではページの端が切れて表示されていたところ、BookPlaceは2ページを正しく表示できた。

横画面見開き表示に対応
コミックの見開きをそのまま再現できる

 専用端末「BookPlace MONO」のページリフレッシュ回数は5回、10回、15回から選択可能。リフレッシュ回数の少なさを売りにするソニーの「PRS-T2」も15回に1回であり、通信機能やフロントライトが無いといった点はあるものの、解像度の高さやメモリ容量、同期機能やリフレッシュ回数など、読書のための機能は非常に注力していると感じた。

 なお、BookPlaceで閲覧できるのはBookPlaceで販売している書籍に限られており、BookPlace MONOのmicroSDカードスロットも、BookPlaceで購入した書籍データの保存用途のみとなる。ただし、完全にBookPlaceのサービスのみに限定されているわけではなく、6月にはPDFにも対応予定だ。

競合と比較すると物足りない書籍ラインナップ~今夏に10万冊規模を目標

 電子書籍の使い勝手を決めるのはなんと言っても書籍のラインアップ。どれだけ端末やサービスが魅力的でも、自分が欲しい書籍が販売されていなければ意味はない。

 BookPlaceの書籍数は今夏に10万冊を揃えるとしているが、サービス開始当初の冊数は非公開。そのため、各ジャンルごと表示される冊数を抽出して一覧にした。同じ書籍でも別カテゴリに含まれるため、実際の冊数はこの数よりも少ない。また、検索結果はコミックの場合も1冊ずつ表示されるため、タイトル数ではなく4月24日現在の実際の冊数となる。

【サービスを開始した2013年4月現在の冊数】
ジャンルジャンル詳細札数
少年・青年コミック4コマ94
SF・ファンタジー1158
学園959
ギャグ・コメディ1137
推理・ミステリー400
スポーツ998
ちょっとH253
バトル・アクション1602
萌え系216
ヤンキー・極道735
料理・グルメ262
恋愛・ラブコメ809
その他3134
少女・女性コミック4コマ32
SF・ファンタジー362
学園477
ギャグ・コメディ223
推理・ミステリー106
スポーツ32
ちょっとH65
バトル・アクション209
恋愛・ラブコメ2511
その他819
文芸・小説国内小説1867
海外小説3289
ミステリー・推理2317
SF・ファンタジー1014
ホラー214
歴史・時代小説1959
文学作品1691
紀行・エッセイ911
ライトノベル2575
その他247
政治・経済・ビジネス社会・政治565
経済・ビジネス1308
自己啓発807
趣味・生活・雑学・ガイド趣味1037
生活932
教養612
雑学・知識1320
ドキュメンタリー692
サブカルチャー870
ガイド・旅行217
学問・資格・芸術・IT人文学759
医学152
語学353
地理・歴史521
教育・保育212
芸術235
理数・科学153
IT135
資格・問題集・辞典122
官能小説・ボーイズラブ男性向け官能小説3430
女性向け官能小説459
ボーイズラブ3754
写真集一般・動物・風景106
グラビア・タレント2510
青年向け大人コミックアニメ・実写化4
学園57
ギャグ・コメディ28
職業・ビジネス19
ボーイズラブ2
恋愛・ラブコメ96
その他286
女性大人向けコミックガールズラブ4
学園37
ティーンズラブ395
ボーイズラブ420
歴史・時代劇14
恋愛・ラブコメ277
その他51
総合計55628
コミック合計16593

 全カテゴリを合計した総数は約5万5000冊。サービス開始当初は実数ベースで1万冊程度だった楽天koboに比べれば十分な数だが、すでにラインアップを大幅拡充した楽天koboも含めた先行するサービスに比べると若干物足りない。

 また、カテゴリで最も多いのが「ボーイズラブ」「男性向け官能小説」で、いずれも3400冊以上をラインアップ。「グラビア・タレント」も2500冊近く、1万冊以上をアダルトや官能小説で稼いでいるというのが実情。海外小説も3,000冊以上と非常に多いため、国内の小説やコミックの数は総数よりも少なくなる。

 以下は実際に有名タイトルや作品をピックアップした検索結果だ。ラインアップについては以前の特集「電子書籍ストアサービスを徹底比較(前編)」と同じタイトルを使っている。検索時期は異なるものの、有名タイトルの取り扱いも現状は非常に少なく、サービス開始当初とはいえ先行サービスからは大幅に後れを取っているというのが正直なところだ。目標とする10万冊のラインアップがどれだけ早期に達成されるかが今後の展開には重要になるだろう。

【書籍】
作者名/タイトル名状況
伊坂幸太郎13
貴志祐介6
横浜秀夫5
山田悠介0
誉田哲也2
【コミック】
作者名/タイトル名出版社状況
鋼の錬金術師スクウェア・エニックス
ジョジョの奇妙な冒険集英社×
ちはやふる講談社
帯をギュっとね!小学館×
進撃の巨人講談社

端末価格が実質無料となるポイント付与や実店舗連携が特徴

 ここまで電子書籍ストアおよびサービスとしてのBookPlaceを見てきた。対応端末の充実や充実した同期機能などはあるものの、電子書籍ストアとしては他サービスと比べて大きな特徴のないように見えるBookPlaceだが、最大の特徴は電子書籍端末「BookPlace MONO」の実店舗との連動および電子書籍とのセット販売にある。

 BookPlace MONOは実店舗およびオンラインという2つの販路を持っているが、どちらも端末単体での販売は行なわず、電子書籍とセットでのみ販売する。実店舗の場合、3万円分の電子書籍が購入できる3万ポイントと本体をセットで販売するため、端末価格は実質無料。

 また、店舗ごとに行なわれる会員登録で300ポイントを付与し、登録した店舗の情報を閲覧できる「行きつけの書店」機能など、電子書籍を読みながらも実店舗の情報がわかる連動機能も備えている。

 オンライン販売でも、コミックの1シリーズと端末をセットにして販売。冊数はコミックのタイトルごと異なるが、最大20冊までがセットになっており、こちらもほぼ端末価格が実質無料に近い状況にある。

 ポイント機能も搭載しており、書籍を購入するごとに1%のポイントを付与。1ポイント1円で書籍を購入できる。また、毎月の購入額が3000円の場合に150ポイント、1万円の場合は2000ポイントを付与、全巻セットを購入する場合はポイント20倍など、電子書籍の購入頻度が高ければ高いほどポイントが還元される仕組みになっており、電子書籍のヘビーユーザーには注目の仕組みと言えるだろう。

後続ながらもサービスは充実。ラインアップやソーシャル対応が課題

 KindleやKoboといった海外の大手電子書籍ストアの日本上陸が一段落し、いよいよ電子書籍元年が始まるかと期待されていたタイミングで、BookLiveのシステムと決別してまで独自の電子書籍サービスとして立ち上げたBookPlace。しかし、対応端末の充実や電子書籍リーダーのスペックなどを見る限り、後発ながらも充実した読書環境が揃っていると感じた。

 実店舗との連動も興味深い。同様の試みはBookLiveも行なっているが、店頭のプリペイドカード販売や専用端末を使った実店舗での電子書籍購入、ポイント連動といったBookLiveの施策に対し、BookPlaceは端末価格が実質無料となるほどのポイントを付与しており、電子書籍よりも実店舗での書籍購入を好むユーザーにとっても気になる施策だろう。ネット購入でも同様に大型のポイント付与を行なうなど、後発ながらもシェアを拡大するための施策が盛り込まれている。

 読めば読むほどポイントが貯まるシステムも、電子書籍のヘビーユーザーには魅力的。1カ月に1万円の書籍を購入すれば2000ポイントが付与されるため、実質8000円で購入できる。

 最大の課題は書籍のラインアップだが、今夏には10万冊規模への拡大を予定。冊数だけでは実際のラインアップは見えないものの、10万冊という規模は先行する他社サービスにも十分匹敵する規模となる。この目標を期日に達成できるかはBookPlaceの今後において大きな鍵を握るだろう。合わせてサイトにおけるランキングや特集コーナーの充実も図って欲しい。

 また、現時点ではソーシャル対応が一切行なわれていないが、後続ゆえにこの点の注力も期待したいポイント。知人が購入した書籍の情報というのは非常に強いクチコミであり、購入者が自ら書籍のプロモーションを行なってくれるという意味では、後続のBookPlaceが知名度を上げていくためにも役立つだろう。BookLiveやReader Storeなど国産の電子書籍ストアはまだこの点がさほど強くないが、認知度向上や購入促進という点で対応を期待したい機能だ。

大手電子書籍ストアの参入により盛り上がりを見せる電子書籍業界だが、まだ一般まで浸透しているサービスとは言いがたい。ポイントや実店舗連動を武器として新たに電子書籍業界へ乗り込んだBookPlaceの今後は要注目のサービスといえるだろう。

甲斐 祐樹