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携帯電話ウイルス「Cabir」がついに米国上陸か?


 フィンランドのF-Secureは14日、携帯電話ウイルス「Cabir」の米国における初の感染事例が報告されたと発表した。Cabir自身はそれほど感染力が強いわけではないため、感染が急激に広がることはないと予測されるが、今後、携帯電話でのウイルス対策を検討する必要が生じそうだ。

 Cabirは、もともとは携帯電話でもコンピュータウイルス感染しうることを示すためにハッカーが作成してセキュリティ企業に送られたもので、2004年6月に発見された。実際に実験室の外部で感染事例が報告されたのは、かなり後のことになる。

 Cabirに感染するのは、Symbian OSを搭載している携帯電話の一部の機種に止まっている。特定機種でBluetooth通信機能を有効にしている場合、近くにCabirに感染している携帯電話が通りかかると、アプリケーションをインストールするかどうかを尋ねるメッセージが表示される。ここでインストールを許可すると、Cabirがその携帯電話にもインストールされる仕組みだ。利用者の承認を必要とするという感染過程をたどるため感染力は極めて低く、感染した後もCabirのアプリケーションをアンインストールするだけで済む場合が多いとされている。

 F-Secureによると、これまでに感染事例が報告されているのはフィリピン、シンガポール、中国、インド、ロシアなど11カ国。Cabirにもさまざまな亜種が存在しているが、現時点では再コンパイルされたものが多いため、実質的に被害をもたらす悪質な亜種は確認されていない。しかし、機能がますます高度化していく中で携帯電話のセキュリティがますます重要になってくることは明らかである。PCと同様、怪しげなサイトにアクセスしたりアプリケーションをインストールしないように注意を払う必要がある。


関連情報

URL
  F-Secure公式ブログ(英文)
  http://www.f-secure.com/weblog/#00000468

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/15 12:31

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