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UOPF、親しい相手とだけ通信ができる“Dear-to-Dear”なテレビ電話をデモ


UOPF運営事務局の石山聡代表
 ユビキタス・オープン・プラットフォーム・フォーラム(UOPF)は12日、同フォーラムがとりまとめている技術仕様やガイドラインの策定状況について発表した。

 UOPFは、ネット家電の共通プラットフォームを策定するフォーラム。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、KDDI、ニフティなどの大手ISPやソニー、松下電器産業、東芝、三菱電機など14社が2004年2月に設立し、2005年4月1日時点ではアッカ・ネットワークスや東京電力などの通信事業者に加え、インデックスやバンダイチャンネルなどのコンテンツプロバイダーを含む53社が会員となっている。

 UOPFでは、12日までに「M2M(機械間)リアルタイム通信のためのシグナリング仕様」「ビジュアルコミュニケーションのためのメディアチャネル仕様」など8仕様を策定。会場では、今回策定した技術仕様に基づいた「テレビでDear-to-Dearなビジュアルコミュニケーション」などのデモンストレーションが行なわれた。

 デモンストレーションでは、東芝や三菱電機、シャープなどのデジタルテレビや、NTT Comやソフトフロントが用意したPCをブロードバンドを介して相互に接続した。UOPFによると、このビジュアルコミュニケーションはSIPの規格を拡張したもの。UOPFに対応するデバイスであればWebカメラによるテレビ電話だけでなく、デジタルビデオで撮影した動画やデジタルカメラのスライドショーなどのコンテンツを直接相手に送信することが可能だ。また、簡易的なVODを用いてプロモーションビデオの配信や無料コンテンツの閲覧などのビジネスモデルも見込めるという。


「テレビでDear-to-Dearなビジュアルコミュニケーション」をデモ。右側は東芝製、左側が三菱電機にデジタルテレビだ 東芝端末側のメニュー画面

接続しているところ テレビ電話だけでなく、動画などのコンテンツも送信可能だ

 「ブラウザ上で接続を許可する端末を指定することで、特定多数の親しい相手とだけ通信ができる」とUOPF運営事務局の石山聡代表。この親しい相手との通信を指して「Dear-to-Dear」の造語を創作したという。


ブラウザからアクセス制御する 着信拒否した履歴から着信を許可することも可能だ

早ければ2005年中に、遅くとも2005年度中にはUOPF認定の製品を出すという
 このほか、1画面にテレビ番組とインターネット上のWebサイトを表示するデジタルテレビや、デジタルテレビで閲覧できるVODシステムをデモンストレーション。石山氏は「Webサイトが閲覧できるようになればテレビでオンラインショッピングが可能になる。リモコンで課金・決済ができるような技術仕様を検証しているところだ」と述べた。

 なお、UOPFではとりまとめた仕様について、4月に開催されたIETFの総会に提出。DLNA(Digital Living Network Alliance)やエコーネットといった情報家電の標準化団体とも連携して新たな技術仕様を策定していくという。石山代表は「北米あるいは世界でのデファクトスタンダードを目指す。早ければ2005年中に、遅くとも2005年度中にはUOPF認定の製品を出せるようにしたい」と意気込みを語った。


1画面にテレビ番組とインターネット上のWebサイトを表示するデジタルテレビ デジタルテレビで閲覧できるVODシステム

関連情報

URL
  ユビキタス・オープン・プラットフォーム・フォーラム
  http://www.uopf.org/

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( 鷹木 創 )
2005/05/12 15:32

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