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三木谷社長は、「良い決算を迎えることができた」と2005年通期の実績を振り返った
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楽天は16日、2005年度第4四半期(10月~12月)および通期の連結決算を発表した。第4四半期の売上高は487億2,000万円(前期比7.7増)、経常利益は113億円(前期比13.3%減)、純利益は82億5,000万円(前期比37.3%増)だった。
カンパニー別の第4四半期売上高では、中核となるEC事業カンパニーが年末商戦と厳冬の好影響で121億6,000万円(前年同期比78.4%増)に達した。クレジット・ペイメント事業は218億4,000万円(同2,713%増)で大幅に拡大し、営業利益でも初めて黒字化した前四半期に続いて黒字を継続した。ポータル・メディア事業は、広告売上が順調だったほか、サイバーブレインズを統合してリサーチ事業を強化したことなどにより28億8,000万円(同82.4%増)に達した。トラベル事業は22億6,000万円(同58.3%増)、証券事業は98億2,000万円(同182.7%増)など軒並み順調に推移した。
プロスポーツ事業の売上高については、第4四半期では9億9,000万円、通期では73億8,000万円に上り、経常利益は通期で2億4,000万円の黒字を確保。これについて三木谷浩史代表取締役会長兼社長は「プロ野球事業により楽天のブランド価値が向上し、他の事業に好影響を与えた。当初は通年で赤字を予想していたが、うれしい誤算だった」と振り返った。
また第4四半期のグループ流通総額は、アフィリエイト事業を手がける米LinkShareが連結対象となったことで2,271億9,000万円を計上。三木谷社長は「以前から掲げていた『年間グループ流通総額1兆円』に完璧に手が掛かった状況」と評価した。
なお、通期の売上高は1,297億7,000万円(前年度比184.8%増)、経常利益は367億2,000万円(前年度比248.6%増)と軒並み順調に推移している。
グループ戦略としては、楽天クレジットの新規顧客の20%以上が楽天のサービス経由で加入したことなどを例に挙げ、同社のサービス間でトラフィックを誘引しあうシナジー効果が生まれていることを強調。2006年以降は「楽天ブランドを有名にしてトラフィックを集めることで、新たなビジネスモデルを提案する。また個人情報に留意しながら顧客データベースを構築することで、楽天のサービスを複合的に利用してもらう」との考えを示した。
質疑応答では、ライブドア事件による同社への影響や、ライブドア関連企業への興味についての質問が寄せられたが、三木谷社長は「今の立場で発言するのは不適切」として回答を避けた。
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通期業績の推移
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「大義名分」「用意周到」など5つの四字熟語を楽天のブランドコンセプトに掲げるという
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( 増田 覚 )
2006/02/16 19:46
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