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MEX吉村社長「我々は変わらずに安定したサービスを提供している」


メディアエクスチェンジの吉村伸代表取締役社長
 メディアエクスチェンジ(MEX)は17日、「メディアエクスチェンジ・ユーザーズ・ミーティング(MEXUM 8th)」を東京・池袋のサンシャインシティプリンスホテルで開催した。

 MEXUMは、同社のネットワークやファシリティの現況やインターネット技術の最新動向を顧客向けに説明するイベント。毎年この時期に開催されており、今回で8回目を迎える。技術的な話題が中心であり、今年も同様のプログラムが組まれているが、開催の挨拶に立った吉村伸代表取締役社長は「いかんせん時期が時期であるために、問題に触れないわけにはいかない」として、ライブドア事件について言及した。

 吉村社長は冒頭、「まず最初に、この度は弊社の親会社でありました株式会社ライブドアの証券取引法等の違反事件にともない、皆様にたいへんご心配とご迷惑をおかけしていることをお詫びさせていただきたい」として謝罪した後、「このような環境の中でも例年通りユーザーズ・ミーティングを開催させていただくことで、我々が変わらずに安定したサービスを皆様に提供し続けているということをきちんとした形でご案内させていただきたい」と述べ、「渦中」の中でMEXUMの開催に踏み切った経緯を説明した。

 ライブドアについては、「我々としては現状、テレビや新聞を通して当社の態度を明確な形で示しているが、決して皆様にご迷惑をおかけするようなかたちではなく、しかるべき過程を経た後には今まで以上によりよいサービスを提供できるものと考えている。そうなるべく、現在さまざまな施策を講じている」とコメントした。


【追記 19:50】
 MEXUM 8thでは、ファイル交換ソフト「Winny」の作者である金子勇氏を招いた講演も設けられたが、その講演を前に吉村社長は挨拶の中で、同ソフトの特徴でもある“匿名性”について自身の考えを述べた。

 吉村社長はまず、接続されているすべてのノードが公平な立場にあって公平なコミュニケーションができるという点が元々のインターネットの特性だとした上で、「P2Pというテクノロジーが、そういったインターネット技術のすばらしさをあらためて認識させたと言ってもいい」と説明する。しかし同時に、P2Pは「インターネット技術に内在するさまざまな問題点をも明るみに出した」と述べ、インターネットにおける大きな問題の1つとして匿名性の議論があると指摘した。

 匿名性によって利用者が守られたり、利便性が提供されるなどのメリットがある一方で、匿名性を放棄することによってメリットを受けるという考え方もあるとして、吉村社長はそうしたメリット/デメリットを「匿名であることの経済性」と表現した。

 さらにライブドア事件における匿名性の問題についても言及。マネーライフ社の買収において、投資事業組合という匿名性を持った仕組み用いられたことを引き合いに出し、「匿名であることによって資金集めにおいてメリットがあったために活用されてきたわけが、果たして本当にそれが経済合理性があるのか。そういうことが今回の事件で見直され、結果的に多くの人にとって経済的メリットが得られるような制度・技術に収れんしていくことが必要なのではないか」とコメントした。


関連情報

URL
  メディアエクスチェンジ
  http://www.mex.ad.jp/

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( 永沢 茂 )
2006/02/17 16:58

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