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1年で「フィルタリング」の認知度を70%に、TCAら業界6団体が行動計画


 電気通信事業者協会(TCA)、テレコムサービス協会、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)、日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)、電子情報技術産業協会(JEITA)、インターネット協会(IAjapan)の6団体は17日、「フィルタリング普及啓発アクションプラン」を策定したと発表した。


フィルタリングの認知率は現在4割、利用率は1割未満

 インターネット上の違法・有害情報への対策の1つとして有効だとされているフィルタリングだが、現状では家庭におけるの認知率は4割程度(日本PTA全国協議会「平成16年度青少年とインターネット等に関する調査」)、利用率は1割未満(総務省「平成15年度電気通信サービスモニター第2回アンケート調査」他)にとどまっているという。そこで6団体は今回、フィルタリングの認知率と利用率の向上を目指し自発的な取り組みをアクションプランとしてとりまとめた。

 アクションプランは、活動の概要をまとめた総論と、各団体の具体的な取り組みをまとめた「ISP」「携帯電話・PHS事業者」「パソコン」「フィルタリングソフトメーカー」という各編から構成されている。今後、これに沿った活動を積極的に推進していくとしている。

 まず総論では、アクションプラン策定の目的として、フィルタリングを利用するかどうかの最終的な判断は利用者が行なうべきだが、その認知率・利用率が低い状況を鑑み、「利用者がフィルタリングを適切かつ効果的に利用できるよう、政府、地方公共団体、学校などによる総合的かつ継続的な普及啓発活動を行なうことが重要であり、事業者等においても一層の普及啓発活動を行なっていく必要がある」と説明。業界が連携してアクションプランをとりまとめ実行することで、「2007年3月における家庭のパソコンや携帯電話におけるフィルタリングの認知率を70%に高めることにより、フィルタリングの利用率を高めることを目標とする」としている。

 具体的には、各団体ごとに、1)冊子・ガイドブックの作成、セミナー・講演、広報・広告などを通じたフィルタリングの普及啓発活動、2)フィルタリング製品の提供・改善、案内・推奨による利用促進、3)国や地方公共団体との連携──といった取り組みに務めることとしている。


ISPは「受信者側での自衛の重要性」を周知することが重要

 各編のうち「ISP」編は、TCA、テレコムサービス協会、JAIPA、JCTAがとりまとめた。これによれば、PCを使うインターネット接続は携帯電話による接続とは異なり、「ISP事業者がネットワーク側で情報の選別や管理を行なうことはほぼ不可能」「インターネット上のコンテンツにはさまざまなプロトコルがあるため、その内容を判定して中継の可否を判断することは事実上不可能」などと説明した上で、「利用者自身がインターネットのこのような性質を理解し、有害な情報にアクセスしないようにすることが第一義的な対策」と述べ、「受信者側での自衛の重要性」を指摘。「ISP事業者は技術的な方法および利用者への啓発活動によりそれを支援することが重要」としている。

 具体的なアクションプランとしては、ISPが自社サイトや契約書面への同封により保護者向けの啓発に務めること、今後は中小規模のISPでもできる限りフィルタリングの利用要望に応えられるよう務めることなどを示したほか、フィルタリングソフトのサポート改善や対応OSの拡大などに向け、開発元と協議するなどの対応もしていきたいとしている。


携帯・PHSのフィルタリングサービス、2006年度末までに全事業者で提供

 TCAがとりまとめた「携帯電話・PHS事業者」編では、携帯電話とPHSにおけるフィルタリングサービスの認知度の向上を目指すとともに、「まだ提供していない事業者においてはできる限り早期にサービスを開始するよう努め、2006年度末までに全事業者がフィルタリングサービスを提供するものとする」としている。

 JEITAがとりまとめた「パソコン」編では、6月末までに、各PCメーカーのサイトにフィルタリングに関する情報を掲載するとともに、有害サイトに関するユーザーからの問い合わせに対してフィルタリングの主旨を正しく説明できるよう努める。また、PCに同梱するマニュアルなどでフィルタリングに関する記載を充実させるとしている。

 IAjapan、デジタルアーツ、ネットスター、アルプスシステムインテグレーション、アイキュエス、サイバーリンクトランスデジタル、トレンドマイクロがとりまとめた「フィルタリングソフトメーカー」編では、利用促進のための活動として販売キャンペーンの実施や体験版の作成・配布、提供ルートの拡大などを盛り込んでいる。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.iajapan.org/rating/press/20060317-press.html

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( 永沢 茂 )
2006/03/17 19:22

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