| 四国電力と東京電力で、発電所に関する業務情報が相次いでWinnyのネットワーク上に流出している。それぞれ、原子力安全・保安院の指摘により判明した。
 
 四国電力は25日、同社の火力発電所の業務情報が流出したことを明らかにした。
 
 流出した主な情報は、愛媛県の西条発電所の運転操作に関する教育資料、火力発電所の運転訓練に関するアンケート、研修時の進捗表および業務レポートなど。機密情報や顧客情報などは含まれていないとしている。
 
 四国電力によれば、西条発電所に勤務する同社社員がこれらのデータを私物PCで使用していたところ、PCにインストールされていたWinnyを通じてウイルスに感染したことが流出の原因という。
 
 今後は、個人所有のPCに業務情報を保存していないか調査するほか、Winnyによる情報流出に関する説明会を実施するなど、情報管理の徹底を周知させるとしている。
 
 また、東京電力でも27日、同社の原子力発電所の修理・点検作業を担当している協力会社社員の勤務表が流出したことを公表した。
 
 流出したのは、協力会社社員の出退勤時間が記載されたデータで、この中に個人を特定できる情報は含まれていないという。同社によれば、勤務表の作成を依頼された会社の社員の私物PCから流出したとしている。
 
 発電所関連の情報流出では、これまでも三菱電機プラントエンジニアリングや九州電力などで発生しており、保安院では「WinnyがインストールされたPCでは業務を行なわない」などの情報管理規則を定めていた。
 関連情報
 
 ■URL
 ニュースリリース(四国電力)
 http://www.yonden.co.jp/press/re0604/j0ypr006.htm
 ニュースリリース(東京電力)
 http://www.tepco.co.jp/cc/direct/060427-j.html
 
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( 増田 覚 )
2006/04/28 13:43
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