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ソフトバンク株主総会、携帯電話事業について多くの時間を割いて説明


 ソフトバンクは23日、第26回定時株主総会を開催した。参加した株主は2,272人。総会ではソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏が、買収したボーダフォンの今後の戦略など、今後のソフトバンクの経営方針を説明した。


ボーダフォンをどう立て直すかが課題

ソフトバンクの孫正義代表取締役社長(写真は5月10日に行なわれた決算説明会のもの)
 経営近況については、2006年3月期決算で売上高が1兆1,086億円、当期純利益が575億円となり、創業来最大の利益を達成したことを報告。事業分野別では、ブロードバンド・インフラ事業はADSLが回収期に入り黒字化を達成、固定通信事業は営業力の強化などにより損失額を縮小するなど各分野が好調に推移しており、今後はさらに買収したボーダフォンによる移動体通信事業に注力していくとした。

 ボーダフォンの買収について孫氏は、「我々が独自に携帯事業をやると名乗りを上げた時には、ほとんどの日本国内の端末メーカーは目も合わせてくれないという状態だった。海外のメーカーから調達するにしても、日本のユーザーに満足できるものが提供できるだろうかと悩んでいた。しかし、今では毎日のように端末メーカーの方とお会いしている」と語り、設備投資の面などでもゼロから構築することに比べると、買収には大きなメリットがあったと強調した。

 一方で「そうは言っても、ボーダフォンは3社の中の3番手。これをどう立て直すのかが課題」と語り、ボーダフォンの今後の強化策について説明。ボーダフォンの改善点は「3Gネットワークの増強」「3G端末の充実」「コンテンツ強化」「営業体制/ブランディング強化」の4点であるとして、3Gネットワークの基地局は今後3年間で増やす予定だったものを前倒しにして、2006年度内に46,000基地局を一気に設置することや、端末メーカーとの協力により「日本人好みの端末」を投入していくとした。

 また、コンテンツの強化については、「我々がYahoo!をスタートさせた10年前は、パソコン通信の閉じられたコンテンツの時代だった。Yahoo!はそういう閉じられたコンテンツの世界を、世界中の開かれたコンテンツを提供するというスタイルに変えた。同じことが携帯電話の世界にも起きると考えている」として、「Yahoo!を中心にして世界中の開かれたコンテンツを提供していきたい。携帯電話の端末にも『Yahoo!ボタン』を作りたいと考えている」と語った。

 ブランドについては、10月1日から社名を「ソフトバンクモバイル」、ブランド名称を「ソフトバンク」に変更する。これについては、「ソフトバンクというブランドを一般向けサービスで展開するのは初めて。グループ企業が一丸となって携帯電話事業に取り組んでいくことの表われでもある」と説明した。

 また、ソフトバンクBB、日本テレコム、ボーダフォンの3社がグループ企業となることで、ネットワーク設備や人材、営業のコストダウンを図り、シナジー効果を早期に創出していきたいとした。


「はるかに安いコストで光ファイバを提供する方法」も準備中

 質疑応答では、「FTTHについては消極的だが今後の展開は」という質問に対して、「現時点では光ファイバを調達するコストが高すぎるため、赤字を出してまで積極的に展開しようとは思わない。ただし、はるかに安いコストで光ファイバを提供する方法について、総務省やNTTと手続きを進めている最中」と語り、中長期的にはFTTH事業も積極的に展開するという方向性を示した。

 携帯電話事業でのコンテンツの展開については、「使い勝手のいいブラウザを搭載できるかが鍵になると思うが、開発体制はどうなっているのか」という質問に対しては、「技術陣がパートナーと共同開発を進めており、フルブラウザも将来的には標準装備の方向で考えている」と説明。番号ポータビリティの開始については、「チャンスであると同時にリスクであることは十分認識している」として、方針で説明したインフラ、端末、コンテンツ、営業の4点を強化していくと説明。「具体的に『キラーコンテンツはどのようなものか』といったことについては、まだ企業秘密とさせていただきたい。端末などについてもいろいろと秘策を用意しているが、絶対に結果を出してみせるというつもりでいるので応援してほしい」と語った。

 質疑応答の後、配当金(1株あたり2円50銭)、定款の一部変更、取締役1名選任の3件の議案について採決。議案はいずれも可決された。


関連情報

URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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( 三柳英樹 )
2006/06/23 17:07

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