Winny上の著作権侵害ファイル、被害額は100億円相当～ACCSとJASRACが試算

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Winny上の著作権侵害ファイル、被害額は100億円相当～ACCSとJASRACが試算

該当するIPアドレスのユーザーにはISPを通じて注意喚起メール

　コンピュータソフトウェア著作権協会（ACCS）と日本音楽著作権協会（JASRAC）は28日、ファイル交換ソフト「Winny」のネットワーク上で権利者に無許諾で公開・流通されている音楽ファイルとコンピュータソフトなどの被害相当額が、合計で約100億円に上るとの試算結果を発表した。内訳は、音楽ファイルが4.4億円、コンピュータソフトなどが95億円。

　10月10日18時から24時までの6時間に実態調査を実施し、少なくとも21万ノードでWinnyが利用されており、音楽ファイル61万ファイル、ビジネスソフト約61万タイトル、ゲームソフト約117万タイトル、アニメ約18万タイトル、コミック約159万タイトルが流通していることを確認したという。

　音楽ファイルについては、1ファイルあたりのJASRAC管理楽曲を7曲と仮定して、月額使用料換算で約4.4億円に相当。ビジネスソフトは平均価格換算で約19.5億円、ゲームソフトが同じく約51.3億円、アニメが同じく約17.2億円、コミックが同じく約7.0億円にそれぞれ相当するという。

Telecom-ISAC Japanの協力を得て行なう、Winnyユーザーに対する啓発活動の仕組み（Telecom-ISAC Japanのニュースリリースより転載）

【追記 17:00】

　今回の実態調査は、JASRACが音楽ファイルについて、ACCSがそれ以外のコンピュータソフトやアニメタイトルなどについて担当した。具体的な調査手段については明らかにしていないが、JASRACでは外部に委託して調査を行なったという。

　一方ACCSでは6月、米eEye Digital Securityが開発したWinnyノードの検索ツール「Winnybot」を検証していることを公表していた。これは、ファイル名などで検索することで、該当するファイルを保有しているノードのIPアドレスなどの情報を収集できるものだが、実際にACCSがWinnybotを導入して調査を行なったのかどうかは明らかにしていない。

　いずれにせよ、今回の実態調査においてACCSとJASRACでは、WinnyユーザーのIPアドレスを特定しており、該当するユーザーに対してメールで注意喚起を促す活動を行なうという。この活動には、Telecom-ISAC Japanが協力する。

　具体的には、収集したWinnyユーザーのIPアドレスのうち、著作権侵害の恐れがあるファイルを公開しているIPアドレスを抽出。それらのIPアドレスのユーザー宛に、啓発サイトへのリンクなどを記載したメールを送信するよう、各ISPに対してACCSとJASRACから依頼する。

　啓発サイトでは、ACCSとJASRACからの協力依頼によりファイル交換ソフトによる著作権侵害ファイルの流通防止の啓発を実施していること、ファイル交換ソフトの利用が著作権侵害につながる場合があること、どのような場合に著作権侵害にあたるのか、著作権法に定められた公衆送信権についての説明などを掲載。これらの内容を理解した場合に、Winnyユーザーがサイト上でチェックを入れるようになっている。各ISPでは、このチェック状況を確認して、啓発サイトを見に来ていないユーザーに対しては再度メールを送信する。

　Telecom-ISAC Japanではこれまでも、ウイルス「Antinny」の感染者に対して同様の取り組みを展開していた。感染者に対して、駆除方法などを解説した対策サイトへのリンクを記したメールをISPを通じて送信し、実際に駆除が完了したかどうかをISPが確認できる仕組みになっていた。

関連情報

■URL
　コンピュータソフトウェア著作権協会のニュースリリース
　 http://www2.accsjp.or.jp/news/release061128.html
　日本音楽著作権協会のニュースリリース
　 http://www.jasrac.or.jp/release/06/11_3.html
　 Telecom-ISAC Japanのニュースリリース
　 https://www.telecom-isac.jp/news/news20061128.html

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（永沢茂）
2006/11/28 14:31

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