トレンドマイクロは10日、2006年12月度の「ウイルス感染被害マンスリーレポート」を発表した。日本国内のウイルス感染被害の総報告数は7,764件で、11月の7,477件から増加した。2006年9月から流行していたマスメール型ワーム「WORM_STRATION」の報告数は減少傾向にあるという。
被害件数の1位は、バックドアの「BKDR_AGENT」136件で、11月の50件から増加した。以下は、2位がトロイの木馬の「TROJ_ROOTKIT」77件、3位が「WORM_STRATION」75件だった。トレンドマイクロによると、12月に入り、再びTROJ_ROOTKITの感染報告が増えているという。他の不正プログラムの活動を隠蔽するために併用されるケースがほとんどで、「ウイルス作者が目的の不正プログラムの発見を遅らせるために、利用する動きが活発になってきていることが伺える」としている。
また、ファイル感染型ウイルスに関する感染報告も増加傾向にあるという。年末には新種「PE_FUJACKS」の感染が報告されている。このウイルスは、Webからのダウンロードや他のウイルスによる作成、ネットワーク共有フォルダを介すワーム活動などによりPCに侵入。感染すると、セキュリティソフトのプロセスの強制終了などを行なう。さらに、他の不正プログラムをダウンロードすることで、複数の不正プログラムに感染するため、一度PE_FUJACKSに感染すると駆除が困難になる。
トレンドマイクロはPE_FUJACKSについて、「このウイルスの感染被害はしばらく続く」と見ており、ユーザーに注意を促している。不審なサイトやファイルなどに対して注意すると同時に、URLフィルタリング機能でウイルスがアクセスする不正Webサイトへの接続をブロックすることも有効な対策だという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2006/mvr070110.htm
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( 野津 誠 )
2007/01/10 13:00
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