警察庁は13日、「平成18年における風俗関係事犯等について」と題したレポートを発表した。インターネットやコンピュータを利用したわいせつ事件が前年に比べて大きく増加したことなどが報告されている。
レポートでは、「風営法違反」「売春防止法違反」「わいせつ事犯」「遊技機使用賭博事犯」「公営競技関係法令違反」の検挙件数と検挙人員数をまとめており、2006年における検挙件数は合計で7,922件、検挙人員は8,667人に達した。それぞれ、2005年の7,340件/8,154人から増加した。
このうち、わいせつ事犯(公然わいせつ、わいせつ物頒布等)の検挙件数は2,769件(前年比14.8%増)、検挙人員は2,628人(同13.5%増)だった。押収数は159万点に上り、じつに43.4%も増加した。なお、押収品はビデオテープが2005年の11万9,000点から6万2,000点に減少し、逆にCD/DVD等が98万4,000点から152万8,000点に増加した。
わいせつ事犯のうち、インターネットやコンピュータを利用したものは192件/164人で、まだそれほど比率は大きくないが、2006年は前年に比べて大きく増加したことが注目される。過去5年間の推移を見ると、2002年が109件/96人、2003年が113件/100人、2004年が121件/96人、2005年が136件/107人と増加傾向にあったが、2006年はこれが192件(前年比41.2%増)/164人(同53.3%増)に上った。
インターネットを利用したわいせつ事犯としては、飲食店従業員がわいせつ画像を記録したハードディスクをインターネットを利用して販売した事例(2004年6月~2006年7月、広島)、無職男性がわいせつDVDの販売宣伝用にわいせつ画像をサーバーに置いて不特定多数に公開したり、インターネットオークションで販売した事例(2005年10月~2006年2月頃、神奈川)が紹介されている。
このほか、インターネットがらみの事件としては、遊技機使用賭博事犯の項目において、会社役員らがインターネットカフェを仮想した店で、店内のPCをフィリピンのインターネットカジノのサーバーに接続し、客を相手にバカラ賭博を行なった事例(2005年6月~2006年2月、京都)が紹介されている。
なお、風俗営業等の許可・届出数(営業所数等)は2006年末で合計39万8,355件で、このうち、アダルト映像配信サイトなどの「映像送信型性風俗特殊営業」は626件となっている。過去5年間の推移を見ると、2002年が929件、2003年が1,334件、2004年が2,031件、2005年が2,575件ど着実に増加してきたのが、2006年は大幅に減少したことになる。店舗型も含めて2006年は風俗営業全体で届出数が減少しており、「届出の内容を確認する仕組みが強化され、実態把握が進んだことによるものと考えられる」としている。
関連情報
■URL
平成18年における風俗関係事犯等について(PDF)
http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan38/20070413.pdf
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( 永沢 茂 )
2007/04/16 16:09
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