ヤフーは24日、2006年度(2006年4月~2007年3月)通期および第4四半期の連結決算を発表した。通期売上高は2,125億円で、初めて2,000億円台を突破したほか、広告の売上が好調だった。
通期では、売上高が2,125億円(前年比22.4%増)、営業利益が1,062億円(同29.3%増)、経常利益が1,028億円(同28.7%増)、当期純利益が579億円(同23.1%増)となり、いずれも好調な伸びを見せた。2006年2月に、セブンアンドワイを連結子会社から持分法適用会社に変更したため、売上高・売上原価増減率等に影響が出た。売上高構成比を見ると、広告が42.0%、パーソナルサービスが35.4%、ビジネスサービスが22.6%となっている。
広告事業の売上高は892億円(前年比30.5%増)となり、過去最高を更新した。ヤフーは、「企業が年度始めより広告宣伝費の支出を抑えたことにより、全般的に停滞感のある状況のなか、Flashによるメガバナーやターゲティング型広告など広告主のニーズに合わせた商品の販売に注力したほか、新規需要の獲得に努めた」としている。
パーソナルサービス事業の売上高は752億円(前年比23.2%増)となった。特に、「Yahoo! オークション」にて利用者の拡大策を展開、参加資格を緩和しYahoo! JAPAN IDのみで入札が可能となるキャンペーンやテレビCMなどを展開したことで、新規入札者数が増加したという。また、落札システム利用料を3%から5%に引き上げたことで、システム利用料収入が大きく伸びた。
このほか、ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)と提携して、海賊版ビジネスソフトの出品削除を継続的に実施。その結果、2006年度下半期の不正出品物の件数は、同上半期と比較して大幅に減少(前半期比96%減)したという。
ビジネスサービス事業の売上高は482億円(前年比36.4%増)だった。「Yahoo! リクナビ」「Yahoo! 不動産」など、情報掲載関連の売上が好調に推移したという。また、「Yahoo! ショッピング」のモバイル経由の取扱高が前年比で2.6倍となった。
● 第4四半期は有料コンテンツの売上が増加
第4四半期については、売上高が575億円(前年同期比22.3%増)、営業利益が295億円(同25.2%増)、経常利益が284億円(同24.2%増)、当期純利益が159億円(同23%増)だった。売上高構成比は、広告が43.3%、パーソナルサービスが33.9%、ビジネスサービが22.8%となった。
広告事業の売上高は249億円(前年同期比21.5%増)だった。ヤフーは、「広告事業においては、広告主の年度末需要を的確に捉え、広告出稿の獲得に積極的に努めた結果、高い伸び率を達成した」としており、ブランディング広告のほか、スポンサーサイトの売上も好調に推移したという。
パーソナルサービス事業の売上高は195億円(前年同期比21.4%増)だった。「Yahoo! パートナー」「Yahoo! 動画」「Yahoo! コミック」など、有料コンテンツの売上が増加したという。一方、Yahoo! オークションのシステム利用料収入が減少したほか、「Yahoo! プレミアム」の売上もYahoo! オークションの利用拡大策の影響によりわずかに前四半期を下回った。
ビジネスサービス事業の売上高は131億円(前年同期比25.3%増)だった。特に、転居や新生活の需要が高まる時期を反映して、Yahoo! 不動産が大きく伸びた。また、Yahoo! オークションおよびYahoo! ショッピングにおいて、ストア数の拡大に注力。四半期末のストア数は、合計で27,044店舗となり、前四半期末に比べて1,983店舗増加した。テナント料および手数料収入も前年同期と比べて大きく伸びたという。
関連情報
■URL
2006年度第4四半期 および通期決算説明会のプレゼンテーション資料
http://ir.yahoo.co.jp/jp/bizres/present/20070424/
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( 野津 誠 )
2007/04/24 20:22
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