楽天がフリーペーパー「ZERO90」創刊、記事の関連動画を携帯で視聴可能

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楽天がフリーペーパー「ZERO90」創刊、記事の関連動画を携帯で視聴可能

「ZERO90」の媒体概要

　楽天は、携帯電話と連動したフリーペーパー「ZERO90（ゼロキューゼロ）」を創刊する。5月31日にテストマーケティング版（創刊0号）を都内で10万部、9月27日に創刊号を関東で30万部配布、以降は月刊ペースで発行する予定。配布場所は地下鉄駅や大手書店、コンビニエンスストア、カフェなど。

● 記事を携帯電話で撮影すれば関連動画が視聴できる

「ZERO90」の誌面ページ例

　読者ターゲットは20～30代の男女で、ファッションやカルチャー、お笑いなどの話題を取り上げる。お気に入りの記事をカメラ付き携帯電話で撮影することで、関連した動画を視聴できるのが特徴だ。動画と連動している記事には「ON AIR!」というマークが掲載されており、ページ全体もしくは写真を撮影すれば携帯電話で動画を視聴できる。今後は、PC向けの動画配信も検討しているという。

　例えば、映画に関する記事を撮影すると、予告編の動画が再生されたり、お笑い芸人に関する記事では、撮影後にネタを動画で閲覧することが可能だ。動画視聴後には、商品販売ページにアクセスする仕組みを用意するほか、楽天市場内に「ZERO90 STORE」を開設し、誌面掲載商品の一部や誌面掲載企業とのタイアップオリジナル商品を販売する。

　編集長は大空出版の角野淳氏が務めるほか、写真家のホンマタカシ氏、放送作家の高須光聖氏や倉本美津留氏、クリエイティブディレクターの箭内道彦氏らが編集に参加する。創刊0号では、「大人の社会科見学」と題した不二家特集のほか、北野武氏のインタビューやグラビアなどの記事が掲載されている。


動画を視聴するまでの流れ	携帯電話上で再生される動画

● 記事撮影前に専用アプリをダウンロード

クレメンテック代表取締役の武内寛氏

　なお、記事を撮影する際には、クレメンテックが開発した画像認識サービス「M4」をベースにした専用アプリ「090カセット」を事前にダウンロードする必要がある。撮影した記事の画像はM4のサーバーに送信され、記事に応じた動画とマッチングされる。その後、090カセット上で動画が再生される仕組みだ。

　090カセットは現在、NTTドコモのFOMA 900シリーズと700シリーズ、ソフトバンクモバイルの一部機種のみに対応する。未対応機種およびauユーザーは、カメラで誌面を撮影後に「 p@zero90.nu 」に添付メールを送信し、返信されたメールに記載されたURLをクリックすれば動画を視聴できる。今後は、auの機種にも対応する予定だ。

　クレメンテックが開発したM4は、画像にある複数の特徴点を認識するサービス。これまで、ロッテのチョコ菓子「コアラのマーチ」と連携し、コアラの絵柄217種類に応じた占いをメールで送信するキャンペーンなどに採用されてきた。同社代表取締役の武内寛氏によれば、「斜めからや一部分だけの撮影のほか、若干の反射光があっても認識できるのが特徴」という。ただし、同じ形で色が違う画像や、海の風景など特徴点が極端に少ない画像については、認識率が下がるとしている。

　QRコードとの違いについては、「雑誌発刊後でも記事の画像と動画をひも付けられる点が特徴。例えば、タレントがブログで『お宝映像をZERO90に貼り付けたので、どこかのページを撮影してみて』といったキャンペーンなども考えられる」と説明した。

● “読む×撮る×見る×楽しむ”で従来のフリーペーパーと一線を画す

楽天が考えるクロスメディア展望

　楽天クロスメディア事業ビジネスユニットリーダーの安藤哲也氏は、「ケータイとフリーペーパーとのクロスメディアにより、“読む×撮る×見る×楽しむ”を同時に実現する。知的好奇心や情報発信力のあるユーザーを満足させ、口コミ効果を狙う。フリーペーパーは飽和状態だが、ZERO90は市販のカルチャー雑誌のような充実した内容。クーポン型のフリーペーパーとは一線を画したい」と意気込む。

　収益については、広告とECサイトによる物販による収入を見込む。黒字化のめどについては未定だが、「楽天は出版社ではないので、2～3年我慢することはない。できるだけ早期に黒字化を図りたい」（安藤氏）。将来的な目標としては、「フリーペーパーで最も人気のある『R25』の発行部数60万部を目指す」としている。

　また、角野氏は「クロスメディアと聞いて『またか』という人も多いかもしれないが、それらの多くは紙媒体との連動が少なく、別のメディアになっていた。ZERO90では、記事に興味を持ったら、すぐにケータイ片手に関連コンテンツを視聴できるのが新しい。誌面については、雑誌にありがちな広告を取るための記事作りではなく、編集部が面白いと感じたことを記事にする。雑誌から面白い文化が生まれる可能性を持ったメディアだと思っている」とアピールした。


楽天クロスメディア事業ビジネスユニットリーダーの安藤哲也氏。手にしているのは、不二家とのタイアップ商品	編集長の角野淳氏

関連情報

■URL
　 ZERO90
　 http://zero90.nu/

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（増田覚）
2007/05/30 18:41

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