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Windows LiveおよびMSNを強化し、ソフトとサービスの融合を本格化

マイクロソフトが2008年度のオンラインサービス事業戦略を説明

 マイクロソフトは2日、2008年度のオンラインサービス事業戦略に関する記者説明会を実施した。「Windows Live」および「MSN」について、今後の取り組みなどを発表した。


2008年度は米aQuantiveの買収でオンライン広告を強化

マイクロソフトの笹本裕執行役常務オンラインサービス事業部長
 マイクロソフトの笹本裕執行役常務オンラインサービス事業部長は、「昨年度、スティーブ・バルマーCEOがLive戦略を発表し、マイクロソフトの強みであるソフトウェアとサービスの融合を目指していたが、正直、1年では実現しなかった。2008年度はソフトウェアとサービスの展開が大きな波になる」と述べた。

 2008年度には、「Windows Server 2008」「SQL Server 2008」をリリースし、「引き続きソフトの強み発揮する」とアピール。オンラインサービスに関しては、Windows LiveおよびMSNにおいて、「質の高いエクスペリエンス、シームレスなエクスペリエンス、リアルとつながるエクスペリエンスの提供を強化していく」とした。「マイクロソフトとしては、いろいろなチャレンジもしていくが、持っているソフトウェアの力を最大限に生かして、オンラインサービスの強化に努めたい」(笹本執行役)。

 また、広告事業に関しては、「マイクロソフト史上最大の投資」という米aQuantiveの買収を挙げた。買収後の具体的な施策については明らかにしていないが、Windows LiveやMSNでの広告ビジネス強化や、オンライン広告サービス「マイクロソフト デジタル アドバタイジング ソリューションズ」などの強化を図る構え。笹本執行役は、「aQuantiveの買収によって、新たな広告の領域に踏み入れる。aQuantiveの持つオンライン広告の技術をどれだけ最大化できるのかが、オンラインサービス事業部のミッション。非常に大きなチャンスだと思っている」と意気込みを語った。


2008年度こそソフトとサービスの融合を実現したいマイクロソフト オンライン広告事業においては米aQuantiveの買収がキーとなる

Windows Liveの強化でソフトとサービスの融合を推進

 マイクロソフトオンラインサービス事業部のシェン・チュウMSNメディアネットワークエグゼクティブプロデューサーは、「2008年度のMSNは新たなポータルメディアへ進化する」と話す。具体的には、「ユーザー層の明確化」「新しいメディアエクスペリエンス」「厳選されたコンテンツ」の3点を説明した。

 ユーザー層は、25~45歳をメインターゲットにし、「MSNなら欲しい情報が見つかる。都会派のための知的エンターテイメントポータルを目指す」という。新しいメディアエクスペリエンスでは、例として、「Silverlight」の活用や、「サーチによるロングテールのインテグレーション」「動画/CGMのインテグレーション」を挙げ、「検索や動画、CGMを、我々のコンテンツに融合することで、他ではできないオンラインサービスを体験してもらいたい」と述べた。

 コンテンツに関しては、「音楽イベントや雑誌などから厳選したものをラインナップに加える」とした。その手始めとして、10月から「MSN産経ニュース」を開始する。「MSN産経ニュースではWebファーストがコンセプト。Webを中心にした編集体制を整える」という。さらに、2008年1月にMSNのサイトリニューアル、4月にMSNビデオのリニューアルを行なう。また、デザインやナビゲーションのバージョンアップは随時行なっていくという。


シェン・チュウMSNメディアネットワークエグゼクティブプロデューサー 新コンテンツの多くは伏せられていた MSNは主力商品から強化を行なう

 オンラインサービス事業部プロダクトマネージメントグループの小野田哲也Windows Liveチームディレクターは、今秋に予定されているWindows Liveのリニューアルについて説明した。「一番のコンセプトは“Windows+Windows Live”。これまでエンドユーザーは、PC上でアプリケーションを動かすことと、ブラウザでオンラインサービスを利用することは別々の使い方をしていた。今後は、自然に2つを融合して、シームレスなユーザー環境を実現する」と述べた。

 Windows Liveの各サービスについては、まず「Windows Live Hotmail」が8月中に容量アップを図り、「現行の2GBから倍以上に増える」という。また、Windows Vista標準搭載のメールソフト「Windows メール」の後継バージョン「Windows Live Mail」をリリースし、Hotmailの読み込みに対応する。Windows Live Mailでは、他のWebメールサービスも利用できるほか、アンチスパムなどを強化しているという。

 秋以降は、PC上の画像や動画を管理するサービス「Windows Live Photo Gallery」や、オンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」を提供する。Windows Live Photo Galleryは、Vista搭載の「Windows フォトギャラリー」の後継バージョンとなり、画像編集機能やオンラインプリント、「Windows Live Spaces」への投稿などが可能。Windows Live SkyDriveは、画像や動画以外の一般的なデータも保存できるオンラインスペースを無償提供する。データを公開して、他のユーザーと共有することも可能だ。

 また、「Windows Live ID」に各サービスのIDを統一し、一度のサインインですべてのサービスが利用可能になる。これに伴い、Windows Liveのトップページを変更。各サービスへのリンクを並べたメニューバーを設置する。さらに、今後はWindows Liveの機能拡張などが、Windows Updateで通知されるようになる。このほか、Windows Liveを企業や教育機関などにカスタマイズ提供する「コブランディング」も開始する。


オンラインサービス事業部プロダクトマネージメントグループの小野田哲也Windows Liveチームディレクター すべてのWindows Liveサービスをシームレスに利用可能 Windows Liveの新トップページ(英語版)

関連情報

URL
  Windows Liveホーム
  http://www.live.com/
  MSN
  http://jp.msn.com/

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( 野津 誠 )
2007/08/02 20:24

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