ヤフーは24日、2007年度中間期(4月~9月)および第2四半期(7月~9月)の連結決算を発表し、アナリスト向けの説明会で井上雅博代表取締役社長らが状況を説明した。
まず中間期では、売上高が1,177億円(前年同期比17.2%増)、営業利益が597億円(同21.9%増)、経常利益は578億円(同21.2%増)、中間純利益が292億円(同9.2%増)だった。第2四半期では、売上高が610億円(前年同期比19.2%増)、営業利益が300億円(同20.3%増)、経常利益が293億円(同18.3%増)、四半期純利益は130億円(同4.0%減)だった。なお、連結子会社化したオーバーチュアについては、9月単月のみの連結となるため、その分の売上高増加分は約30億円で、利益への影響も軽微だとしている。
事業別の業績を見ると、広告事業は、中間期の売上高が540億円(前年同期比27.0%増)、第2四半期が295億円(同38.6%増)だった。ビジネスサービス事業も、中間期が281億円(前年同期比27.0%増)、第2四半期が141億円(同23.5%増)と伸びている。
一方、個人向けビジネスを手がけるパーソナルサービス事業は、中間期の売上高が355億円(前年同期比0.7%減)、第2四半期の売上高が174億円(同5.9%減)で、「若干、調子がよろしくない」という。
具体的には、第2四半期はオークションの総取り扱い高が約1,710億円(前年同期比2.2%増)と伸び悩んだ。また、ストア数が増加してBtoCオークションの割合が高まったために、パーソナルサービスにおけるオークションのシステム利用料が減少した。ただし、無料キャンペーンなどにより、Yahoo!プレミアム会員のID数については純増に転じ、649万件になったという。また、Yahoo! BBのISP料金収入も、ソフトバンクBBとの契約見直しにより、前年同期比で約9億円減少している。
● 第3四半期の業績見通しは「もの足りない数字」
第3四半期の見通しは、売上高が684億円~708億円、営業利益が297億円~311億円、経常利益が293.5億円~308億円、四半期純利益が166億円~175億円としている。
売上高は大きく拡大するが、これはオーバーチュアの売上高が3カ月分連結されるためで、それを差し引くと「物足りない数字になっているかもしれない」と表現。「ディスプレイ広告の伸びは期待しているが、アグレッシブには伸びていない」ため、なかなか強気の数字を示すことができないという。
一方、第3四半期はコマースで年に一度の賑わいを見せる時期。ショッピングや、特にオークションでは、第1四半期、第2四半期ともに前年同期比で見ると盛り上がりに欠けたとしており、第3四半期に期待している。
とはいえ、2006年の第3四半期にはWiiやPS3が発売されたこともあり、「特にPS3は品薄になったため、ずいぶんオークションでも取引があった」という。このような事象が今年は期待できそうにもないため、その分の「ゲタ」が外れるということで、前年同期の伸び率ほどには盛り上がりそうにないとの見方を示した。
このほか販管費も増加するとしており、特にオークションなどを盛り上げるための費用や、広告のシステム導入による設備投資もあり、「利益も少し寂しい感じに見えているかもしれない」と説明した。
関連情報
■URL
中間決算短信(PDF)
http://i.yimg.jp/images/docs/investor/bizres/tansin/2007/jp1024tansin.pdf
決算説明会プレゼンテーション資料
http://ir.yahoo.co.jp/jp/bizres/present/20071024/
■関連記事
・ ヤフーの2006年度中間期決算、売上高が半期で初めて1,000億円を超える(2006/10/23)
・ ヤフー、15四半期ぶりで売上高が前四半期を下回る(2007/07/24)
・ ヤフー、オーバーチュア日本法人を子会社化(2007/08/31)
( 永沢 茂 )
2007/10/24 21:40
- ページの先頭へ-
|