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ネットオークションの著作権侵害出品率は0.5%、商標権は1.2%

CIPPが「日本方式」による取り組みの成果をアピール

 インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(Council for Intellectual Property Protection on Internet:CIPP)は3月31日、2007年度の取り組みをまとめた報告書を内閣官房の知的財産戦略推進事務局に提出した。権利者団体とインターネットオークション事業者の協力によって、侵害品出品の抑制につながったことなどを盛り込んでいる。

 CIPPは、インターネットオークションにおける知的財産権侵害品の流通防止を目的として、権利者団体とオークション事業者によって2005年12月に設立された組織。権利者団体ではコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)や日本レコード協会など、オークション事業者ではヤフーや楽天、ディー・エヌ・エーなどが参加し、警察庁や総務省、日本音楽著作権協会(JASRAC)などがオブザーバーを務めている。

 今回提出した報告書は、CIPPが2007年度に実施した施策および協議をまとめたもの。オークション事業者と権利者が取るべき行動指針を定めた「知的財産権侵害品流通防止ガイドライン」を策定し、それに基づく適切な自主パトロール、および権利者からの通知に基づく削除などの措置が実施されたことを盛り込んでいる。

 報告書によれば、ガイドラインに基づきオークション事業者が2007年に自主削除した出品は、商標権事案が748,416件、著作権事案が187,909件。また、2007年に権利者からの要請で削除した出品は、商標権事案が30,907件、著作権事案が365件。これらの施策により、インターネットオークションでの知的財産権侵害品の割合は、著作権事案が全体の出品の0.51%、商標権事案が1.20%にとどまったとしている。なお、2006年度の侵害品出品率は計測していない。

 CIPPは、インターネットオークションにおける知的財産権侵害対策を効果的に実施するためには、オークション事業者と権利者が共同して取り組むことが有効であると指摘。今後は、双方が共同で対策に取り組むことを「日本方式」と呼称し、報告書ではその成果を世界へ紹介することを政府などに要請している。

 なお、今回提出した報告書の概要は以下の4点。1)「知的財産権侵害品流通防止ガイドライン」をもとに、適切な自主パトロールおよび権利者からの通知に基づく削除などの措置が実施された、2)Webサイトを開設し、「活動内容の報告」「国民への啓発」を行なった、3)各種取り組みの総合的な効果を測定するための効果検証を行なった、4)準メンバー資格を創設し、メンバーの拡充に努めた――。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.cipp.jp/news.html#20080331
  インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会
  http://www.cipp.jp/

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( 増田 覚 )
2008/04/01 14:32

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