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硫化水素の製造を誘引する書き込みは「有害情報」、警察庁が削除要請へ


 警察庁は4月30日、硫化水素ガスを用いた自殺が多発していることを受け、硫化水素ガスの製造を誘引するインターネット上の書き込みを有害情報として取り扱い、書き込みを認知した際にはISPや掲示板の管理者に削除などの措置を依頼するよう、各都道府県警察に通達を出した。

 警察庁では、硫化水素ガスの製造行為自体は現行法で禁止されてはいないが、硫化水素ガスを製造した場合、自己以外の第三者が硫化水素ガスを吸引して健康を害し、最悪の場合は命を失う恐れが極めて高いと指摘。また、現に自殺目的で製造された硫化水素ガスが、自殺実行者以外の第三者に被害を及ぼす事案が多数発生しているとしている。

 こうしたことから警察庁では、硫化水素ガスの製造方法を教示し、その製造を誘引する情報は、傷害という違法行為を誘引する有害情報に該当すると判断。インターネット上にこのような情報があることを認知した場合、ISPや掲示板の管理者などに対して、契約約款に基づく当該有害情報の削除などの措置を依頼するよう、各都道府県警察に対して通達を出した。

 有害情報の判断基準としては、硫化水素ガスの製造方法に関する情報に加えて、「簡単に作れる」「確実に死ねる」などの製造や利用を誘引する書き込みがあることを条件としており、化学式などの記述のみであるなど、学術目的であると判断されるものは該当しないとしている。

 また、警察庁では、インターネット上の違法・有害情報について情報提供を受け付けている「インターネット・ホットラインセンター」に対しても、硫化水素ガスの製造を誘引する書き込みを有害情報として取り扱うよう求めている。


関連情報

URL
  硫化水素ガスの製造を誘引する情報の取扱いについて(PDF)
  http://www.npa.go.jp/cyber/policy/suicide/image/H2Stsutatsu.pdf
  警察庁
  http://www.npa.go.jp/
  インターネット・ホットラインセンター
  http://www.internethotline.jp/

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( 三柳英樹 )
2008/05/01 14:55

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