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青少年ネット規制法案「参議院では慎重な審議を」、ヤフーやMSら5社が共同声明


 ディー・エヌ・エー、ネットスター、マイクロソフト、ヤフー、楽天の5社は9日、衆議院本会議で6日に可決された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」について共同声明を出した。表現の自由への制約やフィルタリングの発展の阻害といった課題を挙げ、参議院では慎重な審議をするよう求めている。

 声明ではまず、「例示」といえども有害情報を定義する点について、「本来、国民それぞれの価値観によって判断されるべきものを国が決めることなり、さらに削除等の努力義務を課していることと照らすと表現の自由に及ぼす影響が大きい」と指摘。また、内閣府に設置する「インターネット青少年情報対策・環境整備推進会議」が定める「基本計画」の中で有害情報の定義を行なうとの自民党の動きも伝えられるとして、「実質的に国が有害情報を定義していく根拠を与える法律として位置づけていることは、法文上『例示』としながら国が深く関与しようとしていることに他ならず、これらの事実を国民に開示することなくこの法律案が成立することには憂慮を覚える」としている。

 このほか、「フィルタリング推進機関」を国に登録することを予定している点について、「登録制度を通じて容易に国がフィルタリングの基準など表現の自由の制約につながるものへ関与できる余地が大きく残されている」と指摘。さらに、フィルタリングは「情報を遮断する道具ではなく親権者に情報を管理してもらうための道具」だとした上で、「一律に情報を遮断することを想定してのフィルタリング強制は、フィルタリングの性格をゆがめるだけではなくフィルタリングそのものの発展を阻害する」とも指摘している。

 これらの理由から5社では、「本当に青少年を守るにはどのようにすべきなのかを青少年や親権者などの視点をも見据えて、審議が図られるよう求める」としている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.netstar-inc.com/press/press080609.html

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( 永沢 茂 )
2008/06/09 15:44

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