欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は11月28日、ブロードバンド利用状況に関する調査結果を発表した。EU域内におけるブロードバンドの普及状況における格差が縮小していることがわかった。
調査の結果によれば、2008年7月現在のブロードバンド普及率は21.7%で、2007年7月の18.2%に比べて3.5ポイント上昇した。固定ブロードバンド人口は前年比1700万人の増加で、1億700万人に達する。
ブロードバンド普及率で米国の25%を上回る国は9カ国あり、デンマーク、オランダ、スウェーデン、フィンランド、英国、ルクセンブルク、ベルギー、フランス、ドイツとなっている。
普及率が最高だったのはデンマークの37.2%、最低だったのはブルガリアの9.5%だった。この結果、普及率が最高だった国と最低だった国の差異は、2007年の28.2%から2008年は27.7%へと、調査開始以来初めて縮小した。ブルガリアの伸びが3.8ポイントで、デンマークの3.1ポイントを上回った結果だという。なお、ブロードバンドの普及率と規制の強さとは反比例する傾向にあるとしている。
経済成長が鈍化する中、ブロードバンド市場は20%近い伸びを見せたという。成長率が最も高かった国はマルタで、次いでドイツ、キプロスとなっている。逆に成長率が低い国は、すでに普及率そのものが高いフィンランド、普及が鈍ったポルトガルだった。
EUでは、ブロードバンドの主流はDSLであり、8600万回線がDSLとなっているとした。ただしDSLは減少傾向にあり、CATVや光ファイバ、無線がこれに取って代わりつつあるとしている。他方、携帯ブロードバンドはまだ始まったばかりで、普及率は6.9%にとどまった。なお、回線速度は向上しており、ブロードバンドの4分の3のが2Mbps以上になっているという。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1831&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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( Gana Hiyoshi )
2008/12/01 16:48
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