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ワンクリック不正請求の相談件数推移
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新たな手口で表示された請求画面。×ボタンで閉じたり、マウスで画面の端に移動するなどの操作ができないという
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情報処理推進機構(IPA)は2日、「ワンクリック不正請求」の相談が急増しているとして注意喚起した。相談件数は2008年9月の651件をピークに一時減少していたが、3月には503件に上り、2005年8月からの累計相談件数は1万件を突破した。増加した要因としては、新たな手口が2月ごろから複数現れたことが挙げられるという。
ワンクリック不正請求とは、アダルト動画などのコンテンツを見ようとしてボタンをクリックしただけで、入会登録が完了したとして多額の利用料を請求する画面が表示されるもの。また、悪意のあるプログラムがインストールされ、PC起動時に自動的に請求画面が表示されることもある。
新たな手口は、従来のように悪意のあるプログラムがインストールされるのではなく、スクリプトによってレジストリが改ざんされる。これにより、PCを起動すると自動的にブラウザが立ち上がりアダルトサイトの請求画面が表示。この請求画面は「閉じる」ボタンで消せないだけでなく、画面の端に移動することもできないという。
IPAによれば、新たな手口は従来と同様、アニメやゲームなどアダルト以外のサイトから誘導されることが多く、実際に不正請求に応じて振り込んでしまった相談者もいたという。「(新たな手口では)ウイルスがPC内に潜んでいるわけではないため、このような症状が出てしまうと、現状のウイルス対策ソフトでは対応できない」(IPA)。
対処するには、Windowsのシステム構成を診断・修復するソフトウェア「システム構成ユーティリティ」を利用して、追加されたスタートアップ項目を解除する方法があるとIPAでは説明。ただし、完全に設定情報を元に戻すためにはレジストリを編集する必要があり、編集を誤ると必要なプログラムが起動しなくなる危険があるとしている。
事後対策としてはこのほか、Windows XPやWindows Vistaが備えるシステムの復元機能を利用することで、この問題が発生する前の状態にシステムを戻す方法もあるとしている。
新たな手口についてIPAでは、「一度被害に遭ってしまうと、完全に復旧するためには専門的な知識が必要になるなど、対処することは非常に困難」と指摘。被害に遭わないためには、Windowsの機能である「ファイルのダウンロード-セキュリティの警告」画面に表示された内容をよく読み、安易に「実行」ボタンを押さないこととしている。
なお、IPAが確認したところ、この請求画面は数分おきに消えたり現れたりするという。また、請求画面とは異なるブラウザを立ち上げた場合は、通常通り利用できるとしている。
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Internet Explorerのセキュリティ警告画面の例
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2009/04outline.html
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( 増田 覚 )
2009/04/02 19:10
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