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MSの3D画像合成技術「Photosynth」が「Virtual Earth」に統合

商用利用も可能に

建物内部のPhotosynthモデル事例(Virtual Earth公式ブログより)

NASAが公開しているPhotosynthモデル
 米Microsoftは7日、写真を自動的につなぎ合わせる3D技術「Photosynth」を、3D衛星地図サービス「Virtual Earth」に統合し、商業利用に対応したと発表した。なお、個人など無料でPhotosynthを利用できるサービスも引き続き提供する。

 Photosynthは、建造物や風景、物などをいろいろな角度から写した複数の写真を貼り合わせたり、つなぎ合わせることによって3Dモデルを自動生成し、さまざまな角度から見られるようにするための技術だ。これまではソフトウェアおよびWebアプリケーションとして提供されてきたが、今回、Silverlight技術を使ったソフトウェアに移植。WindowsだけでなくMacでもPhotosynthモデル(synths)を閲覧できるようになった。さらに、Virtual Earthに統合することによって、地図上の1つのデータとしてPhotosynthモデルが見られるようになった。

 これまでPhotosynthは実験的プロジェクトとして、また地図データを補完するためのプロジェクトとして運営されてきたが、商業利用のためのライセンス提供を開始することも発表された。

 すでにNASAと英VisitBrightonがPhotosynthをライセンスし、モデルの公開を始めた。NASAは国際宇宙ステーションや火星探査機のモデルを、VisitBrightonは英国ブライトン市の観光名所などのモデルを公開している。

 Microsoftでは、Photosynthがさまざまな用途に利用できると考えている。例えば不動産会社は、住宅の内部を写真撮影するだけでPhotosynthを作成できるため、顧客が家の中を歩き回ったり、細部を拡大表示できるコンテンツを提供可能だ。また、観光業者はホテルや観光名所を3Dで見せられる。小売業者はカタログの商品をさまざまな角度から見せたり、一部分を拡大表示することによって、商品の訴求力を高めることができるだろう。メディアやエンターテインメント産業、公共サービスのほか、企業内部の保険リスクアセスメントやクレーム処理などに利用できる可能性も指摘している。

 Microsoftでは、Photosynthを商業利用するためのコントロール機能もアップデート。企業が作成したモデルを自社サイト限定で閲覧できるようアクセス制限したり、モデル内部をナビゲーションする際に特定の画像を際立たせるなど、ナビゲーションを支援できるようにした。

 Photosynthの商業ライセンスは有料で提供されるが、非商用利用に関しては今後も引き続き無料で利用できる。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2009/may09/05-07PhotosynthVEPR.mspx
  Virtual Earth公式ブログの該当記事(英文)
  http://blogs.msdn.com/virtualearth/archive/2009/05/07/photosynth-goes-commercial-with-new-features.aspx
  Photosynth公式サイト(英文)
  http://photosynth.net/Default.aspx
  NASAが公開しているPhotosynthモデル
  http://www.nasa.gov/externalflash/photosynth/index.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/05/08 15:30

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