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「Google マップ」の「ストリートビュー」機能
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グーグルは、撮影車のカメラ位置を従来より40cm下げ、地上高205cmとした
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25日に開催された第41回「東京都情報公開・個人情報保護審議会」において、Googleの「ストリートビュー」について、同審議会会長の堀部政男氏(一橋大学名誉教授)のコメントが出された。
「ストリートビュー」用画像の撮影車両のカメラ位置を下げて再撮影することや、車のナンバープレートにぼかし処理を施すことを発表したグーグル日本法人の対応を評価する一方で、個人情報保護法の該当性や、プライバシーおよび肖像権の問題が残された課題だと説明。これらは法律解釈を含む全国的な問題であるとし、総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」において掘り下げた検討を行うよう要請している。同研究会では研究項目の1つとして、「ストリートビュー」などのインターネット地図情報サービスを挙げている。
まず個人情報保護法との関係での課題としては、グーグルの対応改善後も個人の顔や表札などが明瞭に判別できる画像や、自宅や生活状況の画像など個人情報に該当すると考えられる画像が引き続き提供されるとし、これらについて利用目的の通知などを定めた条項が適用されるべきではないかとしている。
また、プライバシー・肖像権との関係においては、個人の住居の外観の画像をインターネットで提供することや、屋内の様子や洗濯物の画像についてはプライバシーの侵害にあたるかどうか、また、本人の事前の許可なく個人を撮影してインターネットで公開することが、仮に顔にぼかし処理を行っていても服装などから本人と識別できる場合は肖像権の侵害といえるかどうか――といった点を挙げている。
このほか、グーグルが審議会に出席した際に表明したとされる自治体への事前通知・協議について、その具体的な方法について方針を明らかにすべきではないか、公道以外からの撮影を排除する方策を充実すべきでないか――といった検討課題を挙げている。
審議会では、「ストリートビュー」について都民からの要望・苦情が多いことを受け、2008年11月より個人情報保護の観点から検討を進めてきた。2009年2月にはグーグルの出席も得て意見交換を実施し、以後、グーグルと審議会事務局で4カ月にわたって協議してきたという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2009/05/40j5p200.htm
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( 永沢 茂 )
2009/05/25 20:49
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