フリーランスになるなら/なったら必ず読みたい“〇〇の話”

第9回『プレスリリースの話』

マスメディアの取材につながる? プレスリリース配信サービスのススメ

フリーコンサルタントが法人化するなら、マーケティング・PR活動も必要

※この記事は、「Freeconsultant.jp」の2017年7月12日付コラム記事をそのまま転載してお届けするものです。その後の制度改正やサービス内容の変更などにより、現在とは状況が異なる内容が含まれている可能性もあることにご留意ください。

 フリーコンサルタントとして実績を積んでいくと、法人化を検討するケースもあると思います。法人としてコンサルティングの事業規模を広げていくためには、マーケティング・PR活動についても戦略を考える必要が出てきます。知名度が上がれば、コンサルティング業務の幅も広がりますよね。

 とはいえ、テレビや新聞などのマスメディアへ広告を出稿するにはかなりのコストがかかるため、なかなか簡単にはできません。そこで、広告に代わるマーケティング・PR手法として活用されているのが、プレスリリースの配信です。プレスリリースを各メディアに配信し、取材してもらうことが狙い。プレスリリースなら少ないコストで大きなPR効果につなげることも可能です。

 最近はWeb上でプレスリリース原稿を作成すると、多くのメディアに一斉配信してくれる「プレスリリースサービス」が増えています。プレスリリースサービスは、いわばプレスリリースの配信を代行してくれるサービス。自分でプレスリリース原稿を書けば、基本的にあとはおまかせできます。配信先メディアの選定からFaxやメールを使った配信作業、実際に記事に掲載されたかどうかの調査まで行なってくれるというサービスもあります。

 プレスリリースサービスを活用することで効率的なPR活動ができます! そこで今回は知っておきたいプレスリリースサービスの基礎知識とあわせて、代表的なサービスや利用するときの注意点をご紹介します。

プレスリリースサービスを使うメリットとは?

 普段メディアの記者と接点があるという方は、なかなか少ないのではないでしょうか。ところがプレスリリースサービスを利用すれば、大手新聞社をはじめとした多数の媒体へ一斉に配信することができます。全国紙に取り上げてもらえれば大きなマーケティング・PR効果が見込めますし、コンサルタントとして知名度アップに役立ちます。

 低コストでできるという点もメリットです。プレスリリースサービスでは、1回の配信で3万円というのが相場となっています。広告と比べるとそのコストの安さがわかります。新聞(全国版)に広告を出す場合、場所や大きさにもよりますが数千万円かかることもあります。

 例えばある不動産企業では、「マンション住民の交流イベントを〇月×日に開催」というニュースリリースを配信した結果、新聞記者から連絡があり取材につながったそうです。ちょうどマンションの耐震に関する報道があった時期だったため記者が関心を持ち、取材につながったとのことでした。

 プレスリリースの場合は広告ではなく「記事」として掲載されますので、読者の信頼度も高くなります。ただし広告と違って、掲載される保証はありません。しかしながら取材につながらないときでも、多くのプレスリリースサービスでは一部のWebメディアにプレスリリースを転載してくれるサービスを行なっています。

 例えば、PR TIMESというサービスを利用してプレスリリースを配信すると、産経ニュースサイトの「プレスリリース」ページへ自動的に掲載されます。記事ではないため直接のPR効果はそれほど高くありませんが、プレスリリースの内容が外部に公開されるというメリットはあります。

 なお、プレスリリースを通じて取材を1回受けると、記者とのつながりが持てるというメリットもあります。その後直接記者宛てにプレスリリースを配信することもできますし、関連するニュースがあった場合には、専門家としてコメントを求められることもあります。

代表的な3つのプレスリリースサービスをチェック

(1)PR TIMES

 2007年からサービスを開始している老舗のプレスリリースサービス。大手企業にもよく利用されています。特徴は配信先として抱えているメディア数の多さ。約12,000の媒体のほか個人で登録している記者・編集者約8,500名の中から配信先を選べます。なお、どのメディアに配信したらよいかわからないというときでも、ジャンルを選択すれば自動的に配信先を選定してくれます。料金については、従量課金プランでは1回あたり3万円。定額プランも設けており、1か月間に何度プレスリリースを配信しても8万円という料金体系になっています。プレスリリースの配信頻度が多い方にとっては、定額プランを利用すればコストを抑えられるのでおすすめです。(https://prtimes.jp/service/

(2)@press

 約8,000以上のメディアの中から配信先を選べます。特徴は配信以外のサービスが充実している点です。例えば@pressではFaxでの配信が基本料金に含まれています。メディアによっては今でもFaxをメインにしているところもあるため、より広いメディアをカバーできます。また、作成したプレスリリース原稿の誤字脱字などをチェックしてくれるサービスも無料で行なってくれます。プレスリリースの原稿作成に不安がある方は、@pressがおすすめです。料金プランは3種類あります。1回の配信が約5万円のスタンダードプランでは、掲載されたかどうかの調査とあわせて、記事クリッピングサービスもついています。新聞に掲載された場合は、記事の切り抜きが後日郵送で送られてくるので便利です。(https://www.atpress.ne.jp/service/)

(3)プレスリリースプラットフォーム

 プレスリリース配信サービスだけではなく、セミナーや勉強会を開催しているのが特徴。セミナーでは例えばテレビ局情報番組のディレクターなどの報道関係者が講演し、どういうテーマが取材しやすいかなどについて解説します。またメディア側から「こんなテーマで取材したい」というリクエストが来るという点も特徴です。料金は年間プランのみとなっており、年間96万円と他社と比べるとやや高くなっています。報道関係者とのネットワークづくりをしていきたい、と考えている方にはおすすめです。(https://www.real-ize.com/service/)

プレスリリースサービスを利用するときの注意点

(1)サービス選びは慎重に!

 プレスリリースサービスを利用するときには、ご紹介した通りサービスによって内容や料金プランが違います。よく比較検討してから、利用しましょう。なお複数のサービスを同時に使うのは避けたほうがよいでしょう。ひとりの記者にそれぞれのサービスから同じプレスリリースが届いてしまいます。

(2)配信後の訂正はできない

 また、プレスリリースサービスで配信した後の訂正は基本的にできません。配信する前に必ず複数の人でチェックすることをおすすめします。特に日付や金額の記載ミスはトラブルを招きますので、注意したいところです。

(3)配信するタイミングを検討

 多くのプレスリリースサービスでは、あらかじめ配信したい日時を指定して事前に配信予約することができます。タイミングも重要ですので、しっかり検討してから配信しましょう。当然ながら年末年始や連休時は記者も休みですので、ずらした方が無難です。

(4)配信後のフォロー体制も重要

 プレスリリース配信の際には、問い合わせに対応できる体制をつくっておくことも重要です。特に新聞の場合は「翌日の紙面に載せたい」というケースもあり、記者が急いでいることも多くあります。記者から問い合わせのメールや電話が入っても、不在で対応できなかったり返信が遅れたりすると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

 プレスリリースサービスは、少ないコストで大きなマーケティング・PR効果を狙えるというのが大きなメリット。それ以外にも、露出が増えることでパートナー企業に出会えるなど、さまざまな効果も期待できます。いくつかのコンサルティング会社では、セミナーの告知や新規事業への参入などのテーマでプレスリリースを配信している事例も多くあります。

 フリーコンサルタントの方も、法人化したときにはマーケティング・PR活動としてぜひプレスリリースサービスを検討してみてください。有名コンサルタントとして、テレビや新聞などのメディアで多方面に活躍できる可能性もあります!

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