清水理史の「イニシャルB」

初めて契約した完全従量課金制シェアオフィス「ZXY」で、気になるネットワークを調べた
2026年7月21日 06:00
フリーになって、そろそろ30年。ずっと自宅で作業してきたのだが、今回、初めてシェアオフィスを契約した。最寄りの駅に拠点がある「ZXY」(ジザイ)だ。
ちょくちょく使っているのだが、例によって、どんなネットワーク構成になっているのかが気になってしまい、事業者と他の利用者の迷惑にならない範囲内で調査した。
ZXY(ジザイ)とは
ZXYは、XYMAXグループが運営するシェアオフィスだ。関東を中心に456地点(2026年7月7日時点。直営347地点/提携109地点)を展開しており、ビジネス街だけでなく、住宅エリアの駅などにも展開している。
鉄道会社との提携によって、筆者の最寄りの駅にも数年前にオープンして気になっていたのだが、筆者は基本的に怠け者で自宅以外では仕事をしたくないので(だからノートPCも持ち歩かないし、カバンには紙のノートとボールペンしか入ってない)、通りすがりにシェアオフィスの入口を眺めているだけだった。
料金は完全従量制。入会金や月額料金、解約金は一切発生せず、座席タイプごとに決められた料金を、利用した時間分だけ支払うという方式になっている。例えば1・2名向けの個室タイプの「SOLO」は(15分280円~)、会議室タイプの「MEETS」は5・6名向けの広さで(15分750円~)、拠点によってはオープン席(15分150円~)やブース席(15分200円~)も利用可能になっている。
個室タイプは、鍵をかけることも可能で、音漏れ対策もなされており、ビデオ会議などにも利用できる。部屋にはディスプレイも設置されており、持ち込んだノートPCを接続して広い画面で作業できる。そのほかにもプリンターや文房具、無料のドリンクサーバーまで備えられている。
何度か使ってみたのだが、筆者の最寄り駅はビジネスユーザーが少ないようで、平日の昼間はあまり混雑していないことが多い。個室に籠ってしまえば人の気配を感じることなく、集中して作業ができる印象だ。筆者は、気分転換にコーヒーを飲みながら、本を読むなんて贅沢な使い方をしている。
使い方も簡単で、事前に予約専用サイトから空いている座席を15分単位で予約する。予約の時刻になったら、スマートフォンアプリを使ってシェアオフィスの入口にあるQRコードを読み取って入場。予約した座席に入って作業開始するという流れになる。帰りも同様に、スマートフォンアプリで出口のQRコードを読み取って解錠して出ていくという流れになる。
もちろん、事前に申し込みが必要(現在は法人契約が必要で、個人事業主は利用できない)で、申し込み後にユーザー登録などの管理作業が発生するが、オンラインマニュアルを見ながら作業すれば、小一時間で完了する手軽さだ。
インプレスのオフィスがある神保町にも拠点があるので(時間によっては混んでるが……)、打ち合わせ前の準備や時間調整などに活用できるのもありがたい。また、ごくまれに訪れる来客を自宅ではなく、こちらに案内して打ち合わせをするのにも重宝している。
とある拠点のネットワーク構成
さて、ここからが本題だ。今回は、シェアオフィスのネットワーク構成をチェックしてみた。
最初に断っておくが、第三者のルーターやアクセスポイントにSSHするような行為は規約違反どころか不正アクセスになってしまうので、当然、今回はやっていない。あくまでもクライアント側で取得可能な情報を使って、簡単な調査を実施しただけとなる。このため、不確定な部分(WAN側が固定IPかどうかなど)はご容赦いただきたい。
また、Speedtestも実行したかったので、他のユーザーに迷惑がかからない方法で検証している。具体的には、休日(ZXYの一部拠点は休日利用が可能)の午前中、他に誰も利用者がいない時間に予約を入れて検証した。
さらに、今回の情報は拠点ごとに異なる可能性があるため、あくまでも一例と考えておいて欲しい。
ネットワーク基本情報
まずは、ネットワークの基本的な構成をチェックした。端末に割り当てられたIPアドレスは「192.168.112.x」となっており、IPv6に関しては未割当となった。IPv6は無効化されているようだ。
WAN側に割り当てられたIPアドレスは「113.114.53.x」で、判定サイトの情報によるとSony NetworkとなるのでNURO 光だと推測される。
ただ、前述したように、このグローバルIPアドレスが固定なのか、変動なのかは不明だ。一応、複数日にわたって調査してみたが、その間は変更されていなかった。固定、もしくは半固定であってくれれば、自宅へのVPN接続などで送信元制限がかけられるのでありがたいが、このあたりは、さらなる追加調査が必要となりそうだ。
Wi-Fi情報
ZXYは無線接続のみが提供されており、有線接続は提供されていない。施設の天井には、YAMAHAのアクセスポイント(おそらくWLX212)が複数台設置されていることを確認できた。
接続状況は5GHz(104ch使用、40MHz幅)でリンク速度は400Mbpsとなった(今回は意図的にアクセスポイント近くの座席を確保した)。対応する規格はIEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)なので、2世代ほど古い。
暗号化方式はWPA2-Personalで、暗号化キーは予約時のメールや施設内のポスターに掲示されている。
端末間通信
シェアオフィスで最も気になるのは、端末間通信が遮断されているかどうかだ。今回、Wi-FiにPCとスマートフォンを接続し、PCからスマートフォンにPingが通るかどうかを検証したが、タイムアウトではなく、「宛先ホストに到達できません」とパケットが遮断されていることを確認できた。端末間の通信を遮断する設定がルーターやアクセスポイントで設定されているようだ。
VPN接続は可能か?
一通り、通信ができるかどうかも検証してみた。当然、ウェブやメール、SSHなどは通過可能で、筆者宅で運用しているWireGuardのVPN接続、およびIKEv2のVPN接続も問題なく可能だった。内→外のアクセスで禁止されているような通信は、特になさそうだ。
通信速度とレイテンシ
通信速度やレイテンシは、利用する拠点の場所や利用状況によって大きく変わるため判断しにくいが、今回の拠点では以下のような結果になった。
通信速度は下り149Mbps、上り301Mbps、レイテンシ6msとなった。無線がWi-Fi 5の40MHz幅2ストリームで最大433Mbpsであることを考えると、悪くはないが、個室タイプの座席で防音などに配慮しているため、それが電波状況にも、ある程度、影響しているのではないかと考えられる。
さすがに他の利用者もいる混雑時にSpeedtestを実行すると迷惑になってしまうので、推測となるが、利用者が多いケースでは、速度が下がる可能性もある。
ネットワークも特に不便なく使える
以上、シェアオフィス「ZXY」の使用感と、簡単なネットワーク調査をしてみたが、家庭用インターネット接続環境に近い、シンプルで余計なしくみのないネットワーク環境となっており、実際に使っていても不便を感じることはなかった。
「WAN側が固定IPだとうれしい」「アクセスポイントがWi-Fi 6になるとよさそう」などと思わなくもないが、15分280円で、コーヒーを飲みながら気軽に作業でき、通信状態に不満を感じることもないので、満足している。
個人的な要望を1つ挙げるとすると、予約時に座席表でレイアウトを確認できるのだが、ここにアクセスポイントの位置も記載してもらえるとうれしい。近所の拠点は、アクセスポイントの位置を確認できたが、外出先で利用するときもアクセスポイントの近くの席を確保したいので。













