「電子出版EXPO」が開幕、BookLiveが電子書籍端末の試作機を展示


第16回国際電子出版EXPO

 電子出版に関する専門展「第16回国際電子出版EXPO」が4日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。会期は7月6日まで。

 国際電子出版EXPOは、出版社などのコンテンツホルダーに対して、書籍や雑誌などのデジタル化技術・サービスをアピールし、商談を行うための展示会。ビジネス向けの商談展のため、一般の入場は受け付けていない。同時開催の「第19回国際ブックフェア」は7月5日~8日の開催で、7月7日~8日は一般の入場も可能。

BookLiveが電子書籍専用端末の試作機を展示、今秋発売予定

 展示会場の凸版印刷のブースでは、グループ企業の株式会社BookLiveが展開する電子書籍ストア「BookLive!」のコーナーで、今秋発売予定の電子書籍専用端末の試作機を展示している。

BookLiveの電子書籍専用端末の試作機

 BookLiveの専用端末は、独自開発で国内での生産を進めており、従来提供してきた「BookLive!」のサービスをそのまま利用できる端末の提供を目指している。画面は6インチの電子ペーパーを採用。国内のほぼすべての電子書籍フォーマットに対応し、約8万冊以上の書籍を有する「BookLive!」で取り扱う多くの作品が購入可能となる予定。

 トッパングループでは、書籍データの制作(凸版印刷)、電子書籍取次(ビットウェイ)、電子書籍販売(BookLive)に加えて、電子書籍専用端末も提供することで、電子書籍の制作から流通・販売、端末まで一気通貫で提供することが可能になると説明。国内において電子書籍を迅速に提供できる体制を構築することで、日本のより多くの読者に「最も使いやすい」電子書籍サービスを確立し、利用者の獲得を目指してくとしている。

 会場に展示されていた試作機は、電子書籍の閲覧画面や電子書籍ストアの購入画面などをイメージとして表示しているもので、現時点では実際の操作はできなかった。端末の仕様や価格、サービス、販売方法などについては、今後順次発表する予定としている。会場での説明によると、端末には無線LANや3G回線など何らかの通信機能が搭載され、端末から直接、電子書籍の購入が可能になる予定だという。

電子書籍の表示イメージ横から見たところ

PCやスマホのブラウザーからの閲覧に対応した「Yahoo!ブックストア」

 ヤフーのブースでは、電子書籍サービス「Yahoo!ブックストア」で開始した、PCやスマートフォンのブラウザーから電子書籍を閲覧できるサービスを、実際の端末を展示して紹介している。

 Yahoo!ブックストアは、コミックや文芸書など約5万点のEPUB形式の電子書籍を提供するサービス。これまでは専用アプリのインストールが必要だったが、7月2日にウェブブラウザーから閲覧できるサービスを開始。WindowsやMacのウェブブラウザー(Internet Explorer 9以降、Google Chrome、Safari、Firefox)や、iOSのMobile Safari、Androidの標準ブラウザーからの閲覧に対応した。EPUB3にも対応し、テキストの縦書き表示も可能となった。

ブラウザーから電子書籍を閲覧できる「Yahoo!ブックストア」スマートフォンでの表示例

 ブラウザーからの閲覧のためオンラインでの利用が前提となるが、PCやスマートフォンなど幅広い環境からの閲覧に対応。購入した商品はクラウド書庫として整理・管理され、複数の端末から閲覧できる。従来から提供している専用アプリ(Windows/Mac/Android向け)を利用すれば、オフラインでの閲覧にも対応する。

 既に多くの会員を持つYahoo! JAPANのIDと決済システム(Yahoo!ウォレット)を利用しており、専用アプリのインストールなしにブラウザーだけで利用可能になったことで、さらに利用者の拡大が期待でき、Yahoo! JAPANの他のサービスと連動したプロモーションも展開できるとして、コンテンツホルダーにアピールしている。


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(三柳 英樹)

2012/7/4 20:29