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次世代のユーザーインターフェースとしてのスマートアシスタントの覇権争い
CESレポート総まくり(2)
2018年1月17日 11:56
昨年、2017年のCESでは、アマゾンそのものは出展していなかったにも関わらず、音声によるユーザーインターフェース(スマートアシスタント)であるアレクサが大きな存在感を示した。これまでのディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパネルに代わる新たなユーザーインターフェースであるアレクサを採用した機器がさまざまなライセンスを受けたメーカーから発表されたことを多くのメディアで大きく取り上げた。その後、グーグルはホーム、アップルはホームポッドというスマートスピーカーを、日本企業からはLINEがクローバを発売し、スマートスピーカーの開発競争が始まった。この背景にはAIによる音声認識技術の向上と、それに対応するための学習した情報の蓄積がある。
そして、今年、グーグルがCESの会場にブース(テント)を持った。これは昨年、アマゾンのアレクサがデジタル機器産業において、十分すぎる存在感を示すことに成功したことへの対抗心の表れとも言えるだろう。
今年はこの音声インターフェースが自動車の操作系にも採用されている。これまでも、運転中にオーディオなどを操作に気をとられて事故に繋がった事例は散見されているので、ハンズフリーで操作を行うことができるようになることは安全性の向上にもつながるだろう。また、ワイヤレス通信技術により、隔絶されていた車外の情報とも密に接続されることで、さまざまな情報サービスの提供も可能になることが期待できる。
一方、気になるのはPCメーカーの動向である。マイクロソフトはウィンドウズ10にスマートアシスタントであるコルタナを標準で装備しているが、それに加えてアレクサを搭載しようという動きがあるようだ。一般的は競合するアレクサをあらためて搭載しようとすることは何を意味するのだろうか。いまの音声アシスタントは音楽再生など、コンテンツ検索や再生のために利用されることが多いようだが、コルタナはコンテンツ配信サービスとの結びつきが弱点なのかもしれない。しかし、PCに蓄積されるメールやドキュメント、特にビジネス系情報へのアクセスのしやすさはコルタナに分がありそうだ。この辺りの棲み分けがどうなるかも今後の着目点だろう。
音声インターフェースについてはそれ以外でも、サムスンが家電機器との積極的な連携を示し、他のメーカーからもユニークなデバイスが多数発表されている。今年はこれらの技術やデバイスがいかにスムーズに連携し、単体としての技術デモではなく、総合的な利便性を高めていくかということが注目点だ。
ニュースソース
グーグル
- Google、「Amazon Echo Show」対抗の“スマートディスプレイ” ソニーやLenovoが発売へ[ITmedia]
- Google、CESに拠点を構える[TechCrunch日本版]
- GoogleとLenovo、スタンドアロンVRヘッドセット「Milage Solo」発表[GIZMODO]
レノボ
- 「Windows on Snapdragon」やVRヘッドセットを発表、クアルコムとの関係深めるレノボ[ケータイWatch]
- キーボードのMoto Modsや、Daydream対応のVRゴーグル――レノボがCESで発表[ケータイWatch]
- IT最前線走るレノボ「iPadキラー」「アマゾンEcho Showキラー」で勢い見せる:CES2018[BUSINESS INSIDER]
サムスン
その他
・Amazonの「Alexa」、Windows 10 PCにも搭載へ HP、Acer、ASUSが発表[ITmedia]
・「Alexa、お尻を温めて」。音声で操作する多機能スマート・トイレ[GIZMODO]
・iPhoneをスマートスピーカーに、オンキヨー&パイオニアがCESで見せたプロトタイプ[ケータイWatch]
・CESの主役はテレビからAIスピーカー、そして移動型ロボットへ[日経テクノロジー]
・クルマにアマゾンのAI「アレクサ」を搭載できる装置―アンカーが開発[INTERNETCOM]
・みるみる美人になるスマートミラーがAlexaに対応! CES Unveiledレポート[ASCII.jp]
・音声でメガネに地図を表示! Vuzix、Alexa対応のARスマートグラスを発表[ガジェット通信]
・江崎グリコがCES2018に出展。Amazon Alexaスキル「教えて! ぐりこっち」を紹介[家電Watch]
・メルセデス・ベンツの新しい車内アシスタントMBUXとスマートUIが素晴らしい[TechCrunch日本版]