ニュース
Twitterのライブ動画配信アプリ「Periscope」の使われ方を創業者兼CEOが解説
2016年10月18日 14:05
Twitter Japan株式会社が17日、ライブ動画配信アプリ「Periscope」の創業者兼CEOのKayvon Beykpour氏による記者発表会を実施し、同アプリの活用方法や新機能について説明した。
PeriscopeはTwitterが2015年1月に買収しており、同年3月にiOS版アプリ、5月にAndroid版アプリをリリース。Twitterのタイムライン上に動画を配信できるほか、ライブ放送中に配信者にコメントを送ったり、ハートのスタンプを送ることができるのが特徴。
Twitterによる買収について、Kayvon Beykpour氏は“世界で起こっていることを生で届ける”といったミッションとビジョンが両社とも一致していることを挙げた。アプリのリリース直後にもユーザー数が爆発的に増えており、さまざまな場所から動画が配信されているという。
「情報を共有するツールは他にもあるが、“今何が起こっているか”を遅れることなく配信でき、視聴者とインタラクトできる点ではPeriscopeが優れていると思う。また、レイテンシーが低い配信が可能で、Twitterと連携しているのが強み。」としている。
ローンチ直後から多岐にわたる内容の配信が行われているという。例えばニューヨーク・ブルックリンで起こった火事や、バルチモアでの反対運動、ネパールでの地震など、世界中のジャーナリストや市民記者による配信が行われていることを挙げた。また、テニスプレーヤーや宇宙飛行士などの著名人がファンと交流するためのツールとしても活用されているそうだ。
これまではモバイル端末による配信が中心だったが、10月にはストリーミングソフトウェア、ハードウェアエンコーダーやそのほかのストリーミングソースからライブ中継できる「Periscope Producer」をリリース。一部の広告主とパブリッシャー向けに提供している。通常のライブ放送同様、視聴者はコメントしたりハートのスタンプを送ることも可能だ。
「すでに多くのブランドの企業、ニュース、メディアが利用している」としており、例えば10月に行われた京都国際映画祭初日のオープニングセレモニーの配信では7万2000人が視聴したという。
Periscopeのプロモーションの活用例として、元テニスプレーヤーのアンディ・ロディック氏による全米オープンでの配信を紹介。ここではチェイス社、グレイグース社がスポンサーを担当。彼のアカウントをフォローしていない場合でも、テニスファンや別のテニス選手をフォローしているような場合、Twitterから自動的にフィードがタイムラインに上がるようになる。これにより、より多くのユーザーにプロモーションできるとしている。なお、広告はライブ配信時を除き、リプレー時に付くという。
Periscopeは当初、投稿から24時間後に自動的に削除される仕組みになっていたが、ユーザーが動画配信自体に慣れたこと、また、重要なコンテンツを配信するユーザーも多くいることから、デフォルトで無期限に保存する仕様に変更したという。
「動画を簡単にTwitter上に投稿・共有することができる。Twitterは10年以上の歴史があり、いろいろなユーザーと接続するツールとして確立したプラットフォームである。自分が発信したい相手に発信したいものをライブで届けるツールとしてPeriscopeを皆さんにも体験していただきたい。」
なお、各メディアで報道されている“Twitter身売り”の件については、「Twitterは世界にとっても大切なツールであると思っている。Twitter社に入社してからもその思いは強くなるばかり。トピック性が高いため、常にそのような噂が出てくる。誤解してもらいたくないのは、ビジネスは実際には成長しており、利益も出している」とコメントした。
「日本は特に健全な市場で、月間アクティブユーザー数は3500万人で増加している。Twitterへの期待が大きいため、そのような噂が出てきていると考える。それはかえって私達のモチベーションになる。会社としても今の現状をより良くし、ビジネスをキープするために最善を尽くしている。何よりもこのツールは全世界が必要としていると認識している。Twitterにより発言の自由が守られており、多くの国が民主化された事実がある。個人の声や、ブランドカラー、コンテンツを発信するなど、さまざまな形で利用されており、世界がこのツールなしでは動かないと思っている。」