「INSネット ディジタル通信モード」2024年1月に提供終了、NTT東西の固定電話がIP網へ移行

　東日本電信電話株式会社と西日本電信電話株式会社（NTT東西）は17日、固定電話のIP網移行のスケジュールなどを発表した。

　これまでPSTN（Public Switched Telephone Network＝公衆交換電話網）で提供していた固定電話サービスについて、2024年1月よりIP網への切り替えを開始。固定電話から発信される通話を順次IP網経由に切り替え、2025年1月までに切り替えを完了する。なお、基本的な音声サービスは維持し、加入者宅内での工事は不要で、電話機などはそのまま利用可能だとしている。

　通話料金はすでに発表していたとおり、国内3分8.5円（税別）。距離に依存しないIP網の特性により、全国一律料金となる。月額基本料金は「加入電話」「INSネット64」の住宅用・事務用ともに従来と同額。

　IP網への移行に伴い提供を終了する各種サービスのリストも公表している。NTT東西のISDN回線サービス「INSネット」の「ディジタル通信モード」についても、提供終了時期が2024年1月とされている。

　NTT東西では、同サービスの代替策として「フレッツ光」などによるIPデータ通信サービスを挙げているが、ISDNモデムなど従来使用していた機器の更新がそれまでに間に合わない加入者への当面の対応策として、IP網切り替え後のINSネット上でのデータ通信（補完策）を用意する。ただし、現行のディジタル通信モードとは品質が異なるため、利用する機器によっては処理時間が増加する場合があるという。

　このほかにも、今後は利用減少が見込まれるサービスやIP網での提供が困難なサービスもあわせて提供を終了する。これには「短縮ダイヤル」「着信用電話」「トーキー案内」「トリオホン」「114（話中調べ）」などが含まれている。一方、「ダイヤルイン」「キャッチホン」「ボイスワープ」などはIP網への移行後も提供を継続する。

　NTT東西の固定電話の契約数は、2017年度は2042万契約。ピークだった1997年度の6270万契約から67％減少した。INSネット（ディジタル通信モード）の契約数は、2017年9月末時点で225万回線。