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自宅無線LANの暗号化設定は「初期設定のまま」が4割

自分のセキュリティ対策状況を把握していない人も

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は14日、インターネット利用者を対象とした「2017年度情報セキュリティの脅威に対する意識調査」の報告書を公開した。13歳以上のPC/スマートデバイスユーザーの1万人を対象に9月28日~10月4日に楽天リサーチ株式会社が実施した。

 PC利用者が実施するセキュリティ対策は、「セキュリティソフト・サービスの導入・活用」(58.5%)、「WindowsUpdateなどによるセキュリティパッチの更新」(51.5%)、「不審な電子メールの添付ファイルは開かない」(50.5%)が上位に上がる。

 PCの習熟レベル1~4の中で、習熟度が最も低い層(レベル1:PCの設定は店や家族・知人に任せ、メールやホームページの閲覧をする程度で簡単な操作ならできる)では、Windows Updateなどのセキュリティパッチ更新実施率は21.1%で、習熟度が高い層(レベル4:PCを組み立てたり、トラブルが起きても自分で解決できるレベル)の実施率(81.3%)と比較すると著しく低い結果となった。

 さらに、レベル1の回答者のセキュリティソフト・サービスの導入率は29.3%、PCデータのバックアップ率は9.9%にとどまるなど、基本的なセキュリティ対策においてレベル4と大差がついている。その差は40%程度のものから、60%に及ぶものもある。

 セキュリティソフト・サービスを導入していないと回答したユーザーに、自分自身で注意すべき対策を取らない理由について聞いたところ、「書かれている内容が分からない」(17.7%)、「家族や知人、ショップに対応してもらっている」(14.6%)、「導入などに手間がかかる、設定が面倒くさい」などが挙がった。また、「対策しているか分からない」(18.5%)など、現状を把握していないという回答もあった。

 自宅の無線LANの暗号化設定については、「無線LANの暗号化設定が購入時の初期設定のまま利用している」が40.3%で、その他は「無線LANの設定についてはよく分からない」(33.2%)、「無線LANの暗号化設定は変更せず、暗号化キーを初期設定から変更して利用している」(17.2%)、「無線LANにゲーム機などを接続するために、無線LANの暗号化設定をWEPに変更して利用している」(7.1%)など。

 自宅無線LANの暗号化対策を取らない理由としては、「特に問題が起きていないから」(40.0%)、「無線LANに機器を接続する際の手間を省くため」(33.3%)、「暗号化対策が不必要なため」(16.7%)、「家族、友人、知人、ショップ店員など、自分以外の人が設定したので分からないから」(13.3%)などが挙がった。

スマートデバイスの公衆無線LAN利用者は年々増加

 スマートデバイス利用者が実施するセキュリティ対策は、「信頼できる場所(公式サイト)からアプリをインストールする」〈58.1%〉、「OSのアップデート」(56.1%)、「インストールしたアプリのアップデート」(50.7%)、「パスワードやパターン、顔認証などによる画面ロック機能」(33.4%)など。

 スマートデバイス利用者の無線LAN接続時の環境については、「暗号化や認証などのセキュリティ対策が施されている環境で接続する」が69.5%と最多。次いで「公衆無線LANなどのフリーWi-Fi」が36.5%、「モバイルルーターを利用してキャリア網に接続」が25.6%。

 公衆無線LANの利用率は、2014年以降増加を続けており、2017年は前年から5.0%増加している。IPAでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた公衆無線LANの普及に伴い、さらに増加していくものと推測している。