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北欧デザインのセキュリティWi-Fiルーターが日本上陸! 通信を監視して自宅ネットを守る「F-Secure SENSE」発売

F-Secure SENSE

 エフセキュア株式会社は17日、同社のセキュリティ技術を搭載したIEEE 802.11ac/n/a/g/b対応の無線LANルーター「F-Secure SENSE」を発売した。同日より、ニフティ株式会社での取り扱いを開始しており、同社のウェブサイトより購入可能。初期費用は9800円、通常料金は1年プランが月額1180円、3年プランが月額980円。「@nifty プロバイダーサービス」利用者は、1年プランを月額980円、3年プランを月額780円で利用できる(価格はいずれも税別)。家電量販店のノジマ店頭での受付も5月8日に開始する予定。今後も販売パートナーを拡大するとしている。

 F-Secure SENSEは、ネットワーク内のデバイスをまとめて保護できる無線LANルーターで、家庭内に設置された有線/無線LANルーターなどに接続しても利用できる。PCやスマートフォンなどの端末に加えて、セキュリティソフトをインストールできないIoTデバイスやネットワーク家電をウイルスやマルウェアなどの感染から守ることができるとしている。

 同社のクラウドサーバー「F-Secure セキュリティクラウド」と連携し、ネットワークのトラフィックを監査しており、不審な通信パターンを見つけた場合に通信を遮断したり、危険なウェブサイトへの接続やトラッキングを防止することができる。

管理アプリ画面
接続デバイス一覧
「イベントログ」では、ファームウェアのアップデートや接続デバイスの追加に関するログが記録される

 本体の大きさは125×90×217mm。前面にはインターネットの接続状況や、本体の動作状況を確認できるセグメントLEDを搭載しており、表示される文字・記号は白く発光する。時刻を表示して置き時計としても利用でき、白色の筐体は、通信機器特有の無骨さを感じさせないスッキリとした印象になっている。

一見、無線LANルーターとは気付きにくいデザインになっており、インテリアとして部屋に溶け込みやすい。半透明の前面ディスプレイに時刻を表示できる。優れた北欧デザインに贈られる「Design from Finland」の認定を獲得しているという

 本体の初期設定はAndroid/iOSアプリ「F-Secure SENSE」から操作可能。同アプリは、Bluetoothで接続したスマートフォン/タブレットから利用でき、接続デバイスごとの通信制御や、ファイアウォールにおけるポートフォワードの設定、ブロックした脅威情報の確認ができる。また、Android版ではアンチウイルス機能を搭載する。Windows/Macにも対応しており、アンチウイルス機能に加え、危険なサイトへの接続防止や、バンキングサイト接続保護、ペアレンタルコントロール機能が利用できる。ただし、PCからは本体の管理設定は行えない。

 同アプリはWindows/Macで合計25台、スマートフォン版では無制限でインストール可能。対応OSはWindows 7(SP1)以降、Mac OS X 10.10以降、Android 4.4以降、iOS 9.0以降。

Windows/Mac版のアプリは、PCをF-Secure SENSEに接続した状態で「http://sense.router」にアクセスするとダウンロードできる
アンチウイルス機能やペアレンタルコントロール機能を備える

 インターフェースは、ギガビット対応のWAN×1ポート、LAN×3ポート、USB 3.0×1ポート。スマートフォンとのペアリングに使用するBluetooth 4.0(BLE)に対応する。本体には1GHzのデュアルコアCPU、DDR3 512MB RAM+1GBフラッシュメモリを搭載。5GHz帯/2.4GHz帯の送受信アンテナを4本内蔵する。ファームウェアは自動でアップデートされるため、常に最新の状態に保つことができる。

本体背面にWANポート×1、LANポート×3、USB 3.0ポート×1

これからのIoT時代を見据えて――自社開発の無線LANルーター

 IoT市場規模は年々拡大しており、利用されるIoTデバイスの数は法人・個人を問わず急速に増え続けている。エフセキュアバイスプレジデントのAntero Norkio氏は、「特に最近ではGoogle Home、Apple HomePod、Amazon Echoといったスマートスピーカーや、ドイツテレコムのQIVICON、AT&TのDigital Lifeといったスマートホームプラットフォームが展開されるなど、個人でもIoTの世界を体感しやすい環境が整いつつある」と述べる。しかし、あらゆるものがインターネットに繋がり便利になる反面、セキュリティ対策を怠った脆弱な機器が、悪意ある攻撃者に狙われる可能性も高くなってきたと指摘する。

 例えば、2016年にはIoTマルウェア「Mirai」による大規模なDDoS攻撃が観測された。監視カメラやDVR、ルーターなど法人・個人のデバイスを攻撃の踏み台にし、DNSサービスを提供する米Dynに対してDDoS攻撃を実行。Amazon.com、Twitter、Netflixなどのサイトで大規模な障害を発生させた。MiraiはIoT時代における脅威を具体的に感じる事例となった。

 市場に出回るネットワーク機器のセキュリティ対策もますます重要になるわけだが、コンシューマー向けのルーター製品のライフサイクルが短いことをエフセキュアでは懸念していたという。そこで、個人でも手軽に自宅のネットワークセキュリティを強化できる無線LANルーターの自社開発を手掛けるに至ったそうだ。

 F-Secure SENSEは2017年5月末に海外で先行してリリースされているが、今後は日本のユーザーの意見も取り入れながら、独自仕様を盛り込むことも予定しているという。Norkio氏は、F-Secure SENSEが今後、セキュリティの重要性が問われるIoT時代にも耐えうる無線LANルーターとして活躍することに期待を寄せる。