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家庭内LANの通信をまとめて監視する箱「Bitdefender BOX2」販売開始

BBソフトの無料サポートがセットになった「SECURIE」として提供

 Bitdefenderのセキュリティアプライアンス新製品「Bitdefender BOX2」の国内販売が6月7日に開始された。BBソフトサービス株式会社(BBSS)の無料サポートサービスをセットにしたセキュリティサービス「SECURIE」として提供される。製品ラインアップは、家庭向けのセキュリティサービス「SECURIE HOME powered by Bitdefender」(以下HOME版)と、SOHO向けの「SECURIE SOHO powered by Bitdefender」(以下SOHO版)。年額利用料はHOME版が2万7000円、SOHO版が3万7000円。2年目以降は継続利用料としてHOME版は9800円、SOHO版は1万8000円が別途必要になる(価格はいずれも税別)。

 Bitdefender BOX2は、ハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービスを統合したセキュリティアプライアンスで、PCやスマートフォン、IoTデバイスなどネットワーク内のデバイスをウイルスやマルウェアなどの感染から保護する。ウイルス対策ソフト「Bitdefender Total Security 2018」(Windows/Mac、Android/iOS対応)を台数無制限で利用できるライセンスが付属している。

 SECURIEでは、Bitdefender BOX2に加えて、BBSSの無料サポートサービス「SECURIEサポート」を提供しているのが特徴だ。Bitdefender BOX2に関するテクニカルサポートや、ウイルス感染時の駆除支援などを行う。サービス提供開始当初は365日対応可能な電話窓口を設けており、7月以降はユーザーの環境にリモート接続する遠隔サポートにも対応する予定。

「Bitdefender BOX2」
ウイルス対策ソフト「Bitdefender Total Security 2018」

 2017年3月に発売された前機種「Bitdefender BOX」(2017年3月2日付関連記事『「Bitdefender Box」国内発売、ホームネットワーク内のIoT機器やスマホ、PCを保護する箱』参照)と比較すると、Bitdefender BOX2はハードウェア面での性能向上が見られる。CPUは1.2GHzデュアルコア「Cortex A9」、メモリはDDR3 1GBへ強化され、フラッシュメモリは4GBに増加。無線LAN機能はIEEE 802.11ac Wave2および3×3 MU-MIMOに対応することで、通信速度は最大1300Mbpsを実現している。インターフェースはギガビット対応のLANポート×1、WANポート×1を備える。

 本体の設定や管理は、Android/iOS専用の管理アプリ「Bitdefender Central」を用いる。異常なトラフィックを検知した場合にスマートフォンに通知する機能や、接続された各デバイスの情報、システムパフォーマンスなどを確認できる。また、インターネットの接続時間を設定したり、子どもにとって不適切なコンテンツをブロックするフィルタリングなどを備えたペアレンタル機能も備える。

 既知の不正サイトやフィッシングサイトを検知してブロックするウェブスキャニング機能ではBitdefenderのクラウドを使用している。クラウド上のデータベースがURLステータスを詐欺またはフィッシングと判定した場合、ユーザーに警告するウェブページが表示される。ブロックされたサイトが誤検知だった場合は、アプリ上で該当のウェブサイトをホワイトリストに登録することもできる。

 URLのデータベースは、Bitdefenderのクローラー、ハニーポット、マルウェア分析の結果、およびBitdefender製品や一部のパートナーからのフィードバックによって構成されており、データベースは5秒ごとに更新されるという。

 なお、SECURIEの国内での販売については、HOME版はBBSS OnlineやSoftBank SELECTION、Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピングなどの通販サイト、SOHO版はBBSS OnlineおよびSoftBank C&SICT事業本部にて行う。販売チャネルは今後も拡大する予定。

Android/iOS専用の管理アプリ「Bitdefender Central」
トラッフィクの異常を検知すると通知してくれる
ユーザーごとにインターネット接続時間を制限できるペアレンタル機能なども搭載
各デバイスごとの脆弱性を診断する機能も備える

ユーザーが安心できるサポートを強みに

 IoTマルウェア「Mirai」の亜種が複数観測されるなど、家庭のIoTデバイスを狙った脅威が増大する中、従来のセキュリティソフトだけでは対処できないことを懸念してきたと、若原健司氏(BBSSサービス事業本部事業開発統括部統括部長)は述べる。そのため、SECURIEでは「“これさえあれば安心”という製品の提供を目指した」という。

 BBSSは2016年12月に、トレンドマイクロとの協業で「ウイルスバスター for Home Network」を販売開始、2017年3月には国内代理店として前機種「Bitdefender Box」を販売開始した。横浜国立大学との共同研究や、ユーザー、パートナーから製品のフィードバックを得る中で、ユーザーの約半数が製品の設定方法やネットワークトラブルに困っていることが分かり、サポートサービスの重要性を再認識したという。そのため、IoT時代のセキュリティサービスとして、SECURIEでは最新の脅威に対応できる技術を提供することはもちろん、サイバー攻撃に対して安心できる顧客サポートとサービスの提供を重視したという。

 エフセキュアの「F-Secure SENSE」(2018年4月17日付関連記事『北欧デザインのセキュリティWi-Fiルーターが日本上陸! 通信を監視して自宅ネットを守る「F-Secure SENSE」発売』参照)など競合他社からもIoT向けのセキュリティ製品が提供されているが、SECURIEではBitdefender BOX2の機能に加えて、サポートサービスを強化することで差別化するとしている。

若原健司氏(BBSSサービス事業本部事業開発統括部統括部長)