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短期融資“断念層・諦め層”の個人事業主に、ウェブ完結型の融資サービス

「弥生」の会計データもとに、AI与信モデルで即日審査の「アルトア」

 アルトア株式会社は、事業資金の短期・小口融資をオンラインで行うサービスについて、提供対象を個人事業主にも拡大したと発表した。

 アルトアは、オリックス株式会社と弥生株式会社が共同で設立した会社で、2017年12月より「アルトア オンライン融資サービス」を提供している。オリックスが持つ与信のノウハウと、弥生が持つ会計ビッグデータをベースにしたAIによる与信モデルを保有するのが強み。借り入れの申し込み者が会計データ(1期/12カ月以上の仕訳データ)をアップロードすることで、10分から1時間ほどでオンラインで審査が行われ、その結果に基づいて金利などが提示される仕組みとなっている。決算書類などの準備や金融機関の窓口に出向くといった手間がかからず、保証人や担保も不要。手続きがウェブで完結するため、最短で、申し込み即日の融資が実行可能だという。

 同サービスはこれまで、「弥生会計」「やよいの青色申告」を利用する法人を対象に提供してきたが、今回、同じく「弥生会計」「やよいの青色申告」を利用する個人事業主にも提供を開始したかたちだ。

 弥生を利用している法人1637社を対象に2016年3月に行ったアンケート調査によると、短期資金の需要があると回答した法人が85.0%に上ったが、それにもかかわらず実に31.7%は、手続きの煩雑さなどにより金融機関からの借り入れに至っていないことが分かった。また、個人事業主5972人を対象とした同じ調査では、70.0%が短期資金の需要ありと回答したものの、そのために金融機関を利用したことがあったのは16.4%にとどまり、44.2%が借り入れに至っていないとの結果が出ている。

 アルトアの岡本浩一郎代表取締役社長は、個人事業主には、こうした“断念層・諦め層”がより多く存在していると指摘。12月10日より、個人事業主向けのオンライン融資サービスを開始するに至ったとしている。

 融資金額は50万円~300万円(10万円単位)、金利は2.8%~14.8%(実質年率)、返済期間は最長12カ月/最長12回。

 なお、現在は初回利用の場合、オンラインでの審査終了後に、融資の実行までに最短3営業日ほどかかる。これは、初回の本人確認を郵送で行っているために、どうしてもそこで2~3日かかってしまうためだ。これに対して本人確認もオンラインで完結する新方式を、法人向けで2019年1月、個人事業主向けで2019年春をめどに導入予定。これにより本人確認の手続きが10~30分に短縮され、初回利用でも最短で即日の融資実行も可能になるとしている。

 オリックス、弥生、アルトアの3社は、「これまでの人による営業・審査では事業化が容易ではなかった小規模事業者を対象とした融資マーケットにおいて、新たなサービスを創造していく」としている。

アルトア株式会社の岡本浩一郎代表取締役社長