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トライバンド対応メッシュWi-Fi+スマートスピーカー=「Orbi Voice」

米国トップシェアのネットギアがメッシュWi-Fi市場を拡大へ

 ネットギアジャパン合同会社は、NETGEARのメッシュWi-Fiシステム「Orbi」のサテライト機能と、Alexa対応スマートスピーカーを組み合わせた「Orbi Voice」を4月上旬より発売する。

 Amazon.co.jpでの販売価格(税込)は、サテライト単体モデルの「Orbi Voice RBS40V-100JPS」が3万9800円、Orbiルーターとのセットモデル「Orbi Voice スターターキット RBK50V-100JPS」が5万9800円。現在、10%オフのクーポンを配布して予約を受け付けている。

 Orbi Voiceは、866Mbpsの5GHz帯×2と、400Mbpsの2.4GHz帯×1のトライバンドに対応したOrbiサテライトと、Alexa対応スマートスピーカーの機能を併せ持つ製品。5GHz帯の一方は、ルーターと接続するためのバックホール専用。

 NETGEARのメッシュWi-Fiシステム「Orbi」は、どのルーターやサテライトにも同じ接続先SSIDでWi-Fi子機から接続でき、場所が移動しても自動で接続先が切り替わる、いわゆる“メッシュネットワーク”の構築が可能な製品。ルーター―サテライト間の接続でも、最適なチャンネルが自動選択される。

 スマートスピーカーとしてはAlexaに対応しており、直径3.5インチのウーファーと同1インチのツイーターはHarman Kardon製で高音質だとしている。出力はモノラルで、合計出力は35W。また、ユーザーの音声を認識するためのマイクを4基搭載している。

 背面にギガビット対応の有線LAN×2を装備する。本体サイズは218.4×164.6×124.5mm、重量は1.81kg。

米国ではメッシュWi-Fiが市場の半数超、スマートスピーカーが拡大を牽引

ネットギアジャパン合同会社マーケティングマネージャーの前田力氏

 マーケティングマネージャーの前田力氏は、米国における2016年3月から2018年12月のWi-Fi製品における売り上げベースの市場シェアを紹介。ネットギアは5割前後の圧倒的なシュアを占めている。

 次に、2017年1月からの米国市場全体のWi-FiルーターとメッシュWi-Fiの動向もあわせて紹介。当初22%だったメッシュWi-Fiの比率は、2018年11月にはルーターを追い抜き、翌12月には55.1%に達した。

 前田氏は「米国の家は広く、日本の家屋とは広さが違うだけでなく作り方も違う」とし、「米国の家屋は基本的に木造だが、耐震性が求められる日本では建材が異なる上、壁の中に入っている断熱材や、台所やトイレ、ふろの壁の中の補強材などによっても、Wi-Fiが届きにくくなる」とし、日本においてもメッシュWi-Fiの有用性がある点を指摘した。

 そして、メッシュWi-Fiの拡大について「ヨーロッパでも同じような傾向が出ている」とした上で、こうした急速な伸びをけん引している原因として、スマートスピーカーの普及を挙げた。

「スマートスピーカーは聴く用途」、Alexa対応サービスをそのまま利用可能Amazon musicやSpotify、dヒッツ、Audibleなど

 さらに、スマートスピーカーの用途と使用頻度についての調査結果として、音楽、ラジオ、ポッドキャストや朗読などについて、耳を傾けて“聴く”用途に集中していることを紹介。

 そして「家の中でスマートスピーカーを置きたい場所にWi-Fiが届かなかったら、場所を探して置いて音楽を聴くのがこれまでは一般的だった」とし、Orbi Voiceであれば、置く場所を選ばず「家中どこでも好きな音楽が聴けるし、さらにより快適にWi-Fiを活用できるシーンを増やし、そこでスマホでしたいことができる」とした。

 また、Orbi Voiceでは、Alexa対応サービスをそのまま利用できるため、Amazon musicやSpotify、Audibleなど豊富な音楽や朗読サービスを楽しめる点も紹介。前田氏が「Alexa、音楽を聞かせて」とOrbi Voiceに呼び掛け、「dヒッツ」でレコチョク最新ヒットチャートを再生するデモなども行われた。なお、対応サービスは今後もが増える予定とのこと。さらに、Alexaスキルについては「米国ではすでに搭載しているが、日本語対応へ向けて準備を進めている」という。

全米での高いシェアを背景に、日本での販売も拡大へ

 ネットギアジャパン社長の杉田哲也氏は、「全米トップのWi-Fiシェアで、グローバルでの売上は10億ドル(約1100億円)に達している」と述べた上で、「これまで国内では法人がメインターゲットで、限られたマーケットに向けて、先進的な商品の開発を行っていた」とした。

ネットギアジャパン合同会社社長の杉田哲也氏

 日本法人では2014年にWi-Fiルーターの「Nighthawk」シリーズ、2016年からメッシュWi-Fiシステム「Orbi」を提供している。だが今後は、「先進的なハードウェアに加えて、アプリやクラウドを活用したサービスへ商品展開のシフトを手掛けていく」とした。さらにオンラインのみだった販路を、今年3月から大手量販店などにも拡大。「本格的にコンシューマー市場へ向けて商品展開を図っていく」とし、「5年後に売上100億円の目標を達成したい」と意気込みを語った。

米国ではWi-Fi市場でトップのシェアを誇り、売り上げは10億ドルに達するという
2014年にはそれまでの法人向けからコンシューマー向け市場に進出。売り上げを拡大してきた
スイッチングハブの国内市場では、2010年のわずかなシェアから、2019年には2位へ拡大
Wi-Fiルーター市場においても、同様のシェア拡大を目指すという