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メッシュWi-Fi対応ルーター「Google Nest Wifi」近日発売

2台パックで3万強、スマートスピーカー機能も内蔵

発表会に登壇した秋山有子氏(Google Nest事業本部長、右)、織井賢氏(Google ハードウェア事業 パートナーシップビジネス統括、中央)、埜々内ルイ氏(Google Pixel製品事業統括、左)

 グーグル合同会社は、ハードウェア製品の日本展開に関する発表会を開催。Androidスマートフォン「Pixel 4」、ホームアシスタント製品「Google Nest Hub Max」「Google Nest Mini」を発表した。あわせて、メッシュWi-Fi対応ルーターの新モデル「Google Nest Wifi」の近日発売を予告した。価格はルーターと拡張ポイントのパックで3万1900円(税込)。ルーター、拡張ポイントの各単体販売も行う。

「ルーター」「拡張ポイント」で、11s/11k/11v準拠のメッシュWi-Fiが構築可能

 2016年12月に米国で発売され、2018年4月には日本国内販売を開始した「Google Wifi」の後継にあたる製品。米国で10月15日(現地時間)に発表されたばかりだが、改めて日本市場投入が明言された。

 オンラインの「Googleストア」では、すでにウェイティングリスト登録を受け付けており、ハードウェアスペックが一部公開されている。ただし、詳細な製品仕様や販売チャネルは、正式発売日決定のタイミングを待って行う予定としている。

 Nest WifiはGoogle Wifiと異なり、メッシュネットワークを構築するためのハードウェアとして「ルーター」「拡張ポイント」の2種類が存在。それぞれは機能・外形寸法なども異なり、ルーターは単体でも動作するが、拡張ポイントを追加して無線で連携させることで、メッシュWi-Fiにより電波範囲を拡張できる。

 メッシュWi-Fiの標準規格である「IEEE 802.11s」と、「IEEE 802.11k/11v」のローミングをサポート。従来のGoogle WiFiデバイスを接続して、メッシュWi-Fiを構成することも可能だという。

この写真では右側が「ルーター」で、左側が「拡張ポイント」。ルーターの方がやや大きい
ルーターと拡張ポイントはサイズこそ似ているが、スマートスピーカー機能や有線LAN端子の有無などが異なる

拡張ポイントにはスマートスピーカー機能を内蔵

 Nest Wifiの大きな特徴に、拡張ポイント側にGoogleアシスタント対応のスマートスピーカー機能を内蔵させた点がある。音楽配信サービスの再生操作や聴取、ネットワーク家電の操作などを音声で行うことができる。内蔵ドライバーは40mmで、音声入力をミュートするためのスイッチ、静電容量式タッチセンサーも搭載される。また本体底面にはリング状ランプが内蔵され、この色で音声入力状態が分かる仕組みだ。

オレンジ色に光る拡張ポイント。底面とテーブルの境目部分にあるランプの点灯状態で、音声入力の待ち受け状況などが分かる
拡張ポイントの背面。音声入力のミュートスイッチ、電源端子があるだけのシンプルなデザイン

 Wi-Fiの規格としてはIEEE 802.11ac/n/a/g/bに対応しており、ルーター・拡張ポイントともに5GHz/2.4GHz帯のデュアルバンドが利用できる。ただし最大速度はやや異なり、ルーターは5GHz帯が4×4、2.4GHz帯が2×2のMU-MIMOに対応する“AC2200”とされる一方、拡張ポイントは5GHz帯、2.4GHz帯ともにが2×2 MU-MIMO対応の“AC1200”とされる。

 有線ポートはルーター側のみで、いずれもギガビット対応のWAN×1、LAN×1を装備。拡張ポイント側は非搭載となる。スマートホーム関連の接続機能としては、「BLE(Bluetooth Low Energy)」、「IEEE 802.15.4スレッド」(2.4 GHz、近日提供予定)をサポート予定だ。

こちらがルーター。やはり円筒状で、余計な装飾などはほぼなし
有線LAN端子は底面に
Nest WiFiの販売価格

 本体サイズと重量は、ルーターが110×90.4mm(直径×高さ)で380g、拡張ポイントが102.2×87.2mm(直径×高さ)で350g。ルーター、拡張ポイント1台に対し、それぞれ電源アダプターが1台添付される。なお、米国では3つのカラーバリエーションが用意されるが、日本では「スノー」1色のみとなる。

 デバイスの単体販売価格はルーターが1万9800円、拡張ポイントが1万8500円(いずれも税込)。

新製品を一挙に発表、スマートスピーカー新モデルや「Pixel 4」など

「Nest Wifi」を発表するGoogle Nest事業本部長の秋山有子氏

 発表会に登壇したGoogle Nest事業本部長の秋山有子氏は、Nest WiFiとその前機種であるGoogle WiFiの開発経緯について、スマートデバイスが年々増えていく中で、その接続安定性がますます重要になっていると説明。家のどこからでもストレスなくWi-Fiに接続できるよう、Nest WiFiを世に送り出したという。

 また、Nest WiFiの拡張ポイントは、Google Home MiniやNest Miniと同様、「OK、Google」と話しかけるだけでさまざまなサービス・機能を操作できると紹介。近日の発売開始をぜひ楽しみにしてほしいと呼びかけた。

 このほか、Google Nestのファミリー製品として「Google Nest Hub Max」「Google Nest Mini」の国内発売が秋山氏から発表された。

 Nest Hub Maxは、スマートスピーカーの機能に加えて10インチ(1280×800ピクセル)のタッチスクリーンを搭載した「スマートディスプレイ」。すでに発売中の「Google Nest Hub」と比較して画面が大型化し、さらに自分撮り用のカメラを追加。顔認識をもとにしたコンテンツのパーソナライズ、Google Duoによるビデオ通話などが利用できるようになった。11月22日発売予定で、価格は2万8050円(税込)。Googleストアのほか、ヨドバシカメラ、ビックカメラをはじめとした大手家電量販店、楽天ブックスなどでも販売する。

「Google Nest Hub Max」
カメラ内蔵により、Google Duoでのビデオ通話が可能になった

 Google Nest Miniは、小型スマートスピーカー「Google Home Mini」の直接的な後継機種。設計を一新したが、サイズ感はほぼそのままに、低音再生機能などを強化。壁掛けにも新しく対応した。11月22日発売予定で、価格は6050円(税込)。Nest Hub Maxと同様、一部の家電取り扱い店でも購入可能となる。

4種類のカラーバリエーションを用意する「Google Nest Mini」
音質の改善などが図られているが、壁掛け用の穴を搭載したのも大きなトピック

 Android 10搭載の最新スマートフォン「Pixel 4」「Pixel 4 XL」についても10月24日より販売を開始する。来春追加予定の「Motion Sense」機能では、端末に内蔵されたレーダーセンサーにより、画面に触れることなく手のジェスチャーで、楽曲再生を操作したり、タイマーの停止操作などが行えるようになる。

 価格は、5.7インチ画面のPixel 4が64GBモデルの場合、8万9980円(税込)。最も高価なモデルはPixel 4 XL(6.3インチ画面)128GB版で12万8700円(税込)。このほか、ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」が2020年に発売されることも発表された。

Pixel 4について説明した埜々内ルイ氏(Google Pixel製品事業統括)
Pixel 4(左)と「Pixel 4 XL」
Pixel 4のディスプレイ
Pixel 4のカメラ部