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融資を受けたい個人と低金利の銀行ローンをマッチング、「クラウドローン」サービス開始

 クラウドローン株式会社は、融資を受けたい個人と銀行ローンとのマッチングサービス「クラウドローン」を1月23日に開始した。ユーザーは、目的や時期、金額などを1回登録するだけで、各銀行から融資可能なプランを提案してもらえる仕組み。参加している銀行は、中国銀行、伊予銀行、スルガ銀行、三重銀行、仙台銀行、その他1行の計6行。さらに、「現在、参加銀行を増やす方向で各銀行と調整を行っている」としている。

「クラウドローン」の流れ

 クラウドローンによると、個人が銀行から融資を受けることは住宅ローンが主だったものであり、それ以外は、ほとんどの個人にとって利用経験のないものではないかという。例えば、自動車をローンで購入する場合はカーディーラーが提携した信販会社のローンを利用することが多いが、これを銀行のマイカーローンに切り替えれば金利を大幅に下げることができるとしている。

 自動車ローンのモデルケースによると、信販系のディーラーローンの場合、1年間の金利は8.8%だが、クラウドローンに参加している三重銀行は1.4%だ。このように、信販系よりも銀行のローンのほうが金利が低く設定されていることが多く、支払い総額を数十万円も少なくすることが可能なケースも存在するとしている。

 その一方で、銀行から融資を受けた経験がない個人にとっては、どの銀行が融資をしてくれるか分からない場合が多い。また、条件によって銀行が融資できる金額や金利が変化するため、複数の銀行を訪ねて可否を相談する労力も発生する。クラウドローンでは、個人と銀行をマッチングする仕組みを提供。ユーザーは労力を掛けずに、複数の銀行から、より条件のよい融資を見つけることができるとしている。

「クラウドローン」によるモデルケース。250万円の自動車を3年、ボーナス月は上乗せした場合、銀行ローンだと約30万円負担が少なくなる

 自動車の購入などでクラウドローンを利用するには、まず、都道府県、家族構成、年収、雇用形態、利用目的などを登録。この際、氏名や住所、電話番号など個人が特定される情報は不要だ。クラウドローンに参加する銀行は、登録された情報をもとに融資が可能な人に金額や金利などを提示。条件が合えば、ユーザーがその銀行にローンを申し込む流れだ。

 クラウドローンは、利用目的が幅広いという特徴もある。英会話、資格の取得、海外旅行、医療費、カメラや家電の購入などにも使える。

スマートフォンで「クラウドローン」に登録する例。入力する情報が少ないため、スマートフォンでも簡単に登録できる

 なお、クラウドローンに登録しただけでは、信用情報には情報が残らない。信用情報とは、銀行や信販会社、クレジットカード会社が共有しているクレジットカードやローンの支払い状況のデータ。支払いの遅延や未払いがあると信用情報に記録され、ほかの会社でもクレジットカードの発行やローンの契約が難しくなる。

 この信用情報の中には、ローン審査の履歴も含まれている。個人が直接、銀行にローンの申請を行った場合、審査に落ちるとその情報が信用情報に記載される。これを繰り返すと、審査に落ちたという履歴が多くなり、融資を受けることがますます厳しくなるという。

 しかし、クラウドローンで登録を行った段階では、信用情報を確認したり情報を追加したりすることはない。融資額や金利などの条件が合った銀行にローンの申し込みを行い、審査まで進むと、初めて信用情報に記録される。