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全Wi-Fi機器に影響する脆弱性「FragAttacks」発見される。各企業・団体が対応を発表
2021年5月14日 14:46
ニューヨーク大学アブダビ校のMathy Vanhoef氏は12日(日本時間)、「すべてのWi-Fi機器が影響を受ける」Wi-Fiの設計と実装に関する複数の脆弱性が見つかったと発表した。「FragAttaks(fragmentation and aggregation attacks)」と名付けられ、内容の詳細はfragattacks.comで公開されている。
発見されたのは、WPA3を含む、Wi-Fiの全ての最新のセキュリティプロトコルに影響を及ぼすもの。ほとんどのデバイスに影響するWi-Fi標準「IEEE 802.11」の設計上の欠陥に起因する3件(CVE-2020-24586、CVE-2020-24587、CVE-2020-24588)や、Wi-Fi製品のプログラミングのミスにより引き起こされるものなど、全12件の脆弱性。
発見されたデバイスの脆弱性を直接悪用することは、特殊な設定などが必要となるため困難とされる。しかし、Wi-Fi製品のプログラミングのミスによる脆弱性によりユーザーが知らない間に悪用される可能性があり、このことが最大の懸念事項であるとしている。
脆弱性を悪用するデモ動画が公開されている。以下の動画は被害者のユーザー名やパスワードが傍受され、スマート電源ソケットをリモート操作でオン/オフされ、さらにネットワーク上の古いWindows 7搭載PCを乗っ取られるという内容。この動画では、機密データの盗難、およびデバイスへの攻撃という2つの悪用の可能性が指摘されている。
本発表を受け、インターネットセキュリティの業界団体ICASI(Internet Consortium for Advancement of Security on the Internet)は声明を発表。概要を報告するとともに、マイクロソフトなどのアドバイザリを紹介している。Wi-Fi Allianceもセキュリティアップデートを発表。迅速な措置を講じるとしている。
Mathy Vanhoe氏は、2017年にはWPA2の脆弱性「KRACKs」を発見している。
各企業の対応状況
以下の各企業が、本件に関するアドバイザリを公開している。
- Arsta
Security Advisory 0063 - Cisco Systems:
Multiple Vulnerabilities in Frame Aggregation and Fragmentation Implementations of 802.11 Specification Affecting Cisco Products: May 2021 - CommScope/Ruckus
FragAttacks - RUCKUS Technical Support Response Center
Wi-Fi Frag Attacks – What You Need to Know - Debian Project
CVE-2020-24588 - HPE/Aruba Networks:
802.11 Frame Aggregation and Fragmentation Vulnerabilities(テキストファイル) - Intel
ntel® PROSet/Wireless WiFi , Intel vPro® CSME WiFi and Killer™ WiFi Advisory - Juniper Networks:
021-05 Out-of-Cycle Security Bulletin: Multiple Products: Multiple vulnerabilities related to aggregation and fragmentation attacks against Wi-Fi (FragAttacks)
Mist Security Advisory – FragAttacks and FAQ - Lenovo
Intel® PROSet and Wireless WiFi, Intel vPro® CSME WiFi, and Intel® Killer™ WiFi Advisory - Microsoft:
Windows ワイヤレス ネットワークの情報漏えいの脆弱性 CVE-2020-24587
Windows ワイヤレス ネットワークのなりすましの脆弱性 CVE-2020-24588
Windows ワイヤレス ネットワークのなりすましの脆弱性 CVE-2020-26144 - NETGEAR
Security Advisory for Fragment and Forge vulnerabilities on some WiFi capable devices, PSV-2021-0014 & PSV-2021-0080 - Sierra Wireless:
SWI-PSA-2021-003: Aggregation and Fragmentation Attacks Vulnerabilities - SUSE
CVE-2020-24588 - Synology
Synology-SA-21:20 FragAttacks - Zyxel
Zyxel security advisory for FragAttacks against WiFi products