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JR西日本、2023年開業の「うめきた(大阪)地下駅」トイレをDX。スマホで空室状況確認、清掃やメンテもデジタルで支援
各種センサーによりトイレのメンテナンスをCBM化。外部へのサービス提供も
2022年11月14日 13:20
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、2023年春に開業を予定している「うめきた(大阪)地下駅」の改札内トイレのサービスや設備を紹介した。トイレのリアルタイムな空室情報をスマートフォンなどで確認できるようにするほか、スタッフが清掃や衛生器具の補充などを効率に行えるよう「トイレ清掃管理システム」を導入する。
うめきた(大阪)地下駅は、東海道線支線の地下化にともなう新駅として大阪駅の北側に建設されており、大阪駅とは連絡通路で結ばれて、同駅の地下プラットフォームと位置づけられる予定。イノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心としての活動や、列車のドアがどの位置に来ても対応可能な世界初の「フルスクリーンホームドア」の設置も予定されている。
今回発表されたトイレに関するシステムは、トイレの空室情報のサービスなどを手掛ける株式会社バカンとの共同開発。バカンの「満空検知センサー」「トイレットペーパー検知センサー」「水石鹸検知センサー」といった各種センサーのほか、API連携が可能な他社のIoT衛生器具やセンサーからデータを取得し、それをもとに空室情報やメンテナンスに関する情報を出力する。
トイレの空室情報は、JR西日本の移動生活ナビアプリ「WESTER」から確認できるようになる。また、駅構内のデジタルサイネージにも表示するとしている。
メンテナンスに関しては、トイレットペーパーや手洗い用水石鹸の残量があらかじめ設定した閾値よりも下回った場合などに通知を行い、メンテナンスを促す。従来は清掃スタッフが決められたスケジュールに巡回してメンテナンスを行っているが、このシステムにより、効率的な清掃を支援し、トイレ内の設備のCBM化を目指すとしている。
CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)とは、リアルタイムに対象の状態を監視し、必要なメンテナンスの確認や故障の予測を行いながら、メンテナンスを行う仕組み。決められたスケジュールでメンテナンスを行うTBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)と比べて、状態に応じたメンテナンスによるシステムの安定化や、頻度の最適化、運用の効率化が図れるとされる。
なお、トイレ清掃管理システムはうめきた(大阪)地下駅の開業に合わせ、サブスクリプションサービスとして多数のトイレを管理する事業者向けに提供を開始する予定だという。