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NICT「WarpDrive」が大型アップデート、「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界でセキュリティを学べるゲーム機能など追加

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)サイバーセキュリティネクサスは10月16日、ウェブ媒介型サイバー攻撃対策プロジェクト「WarpDrive(Web-based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE)」の大型アップデートを行ったと発表した。

 このアップデートで、アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」の世界に没入しながらセキュリティの知識を習得できるゲーム機能が追加された。新しいタチコマ・セキュリティ・エージェントはWarpDriveポータルサイトから無償で利用/ダウンロード可能。

 WarpDriveは、2018年からアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」とタイアップを行っている。シリーズに登場するキャラクター(AIを搭載したロボット)「タチコマ」をモチーフにした、PC向けのウェブブラウザー版「タチコマ・セキュリティ・エージェント」(タチコマSA)、Androidスマートフォン向けアプリ「タチコマ・セキュリティ・エージェント・モバイル」(タチコマ・モバイル)を無償配布し、参加ユーザーのウェブアクセスの観測、分析、警告などを行ってきた。

 今回のアップデートでは、Androidスマートフォン向けのタチコマ・モバイルに「攻殻機動隊 SAC_2045」シリーズの世界に没入し、遊びながら現実社会のセキュリティやITの知識を学べるゲーム機能「訓練プログラム」が追加された。

 ゲームの中でユーザーは、「攻殻機動隊 SAC_2045」世界の公安9課(通称、攻殻機動隊)の新人捜査員となり、訓練プログラムを受ける。訓練では、各種コースでタチコマを操作しながら、セキュリティやITにまつわる3択クイズを解く。コースをクリアすると、作中に登場するキャラクターのメダルを獲得できる。全てのメダルを集めるためにコースを周回するうちに、セキュリティやITの知識が身に付いていくという。

コース選択画面
コース走行画面
クイズ画面
リザルト画面

 訓練プログラムのほかに、タチコマ・モバイルには以下の機能が実装された。多数の参加ユーザーがWarpDriveと悪性サイトの情報を共有することによって、プロジェクト全体の観測・分析能力が向上し、それぞれのユーザーのスマートフォンのセキュリティを高めるとしている。

  • タチコマに報告:疑わしいサイトやSMSメッセージ、スパムメールなどを報告する機能
  • プロファイル:スマートフォンの利用状況を確認する機能
  • 過去のお知らせ:WarpDriveプロジェクトからの過去のお知らせを表示する機能
  • コレクション:訓練プログラムで収集したメダルなどを確認する機能
  • アンケート:タチコマが時折、セキュリティに対する意識などの質問をする機能
  • 悪性サイト検出(自動):独自のブロックリストで悪性サイトへのアクセスを検出して注意喚起する機能
  • 悪性サイト予測(自動):悪性サイトにたどり着く可能性の高いワードを検索した際に注意喚起する機能
  • セキュリティレポート(自動):悪性サイト検出・予測の結果を月に1回ユーザーに報告する機能
タチコマに報告
プロファイル
過去のお知らせ

 また、タチコマSAについても、ダッシュボードなどのデザインを一新するとともに、新たに「攻殻機動隊 SAC_2045」シリーズの壁紙が追加されている。

タチコマSAダッシュボード
HISTORY(閲覧履歴表示)機能

 WarpDriveは、タチコマSAとタチコマ・モバイルの継続的なアップデートを行うことで、より多くの参加ユーザーを募り、ウェブ媒介型サイバー攻撃の実態解明や対策展開をさらに進めるという。今後の主なアップデートは12月下旬予定としている。