ニュース

携帯電波が届かない地域でも最大120kmのLoRa通信が可能、「ため池遠隔監視:SR-IMAGE」をエヌエスティ・グローバリストが提供

ため池遠隔監視:SR-IMAGEのイメージ

 エヌエスティ・グローバリスト株式会社(NSTG)は、LTEとLoRaによる通信に対応した「ため池モニタリング監視:SR-IMAGE」の提供を、7月19日から開始する。水位センサーとカメラを設置により遠隔地から監視できるようにするソリューションで、LoRa通信と太陽電池により、携帯電話の電波や電源がない場所でも運用できる。

 近年起こる集中豪雨による水害が続き、全国に15万超あるとされるため池の7割は江戸時代以前の築造であることから、劣化の可能性が懸念されている。しかし、農村部の人口減少や土地利用の変化により、ため池の適切な維持管理が困難になっているという。

 同ソリューションでは、ため池や河川の周辺に水位センサーとカメラを設置し、LTEまたはプライベートLoRa(LoRaはLPWA:低電力広域無線通信技術の一種)により通信。NSTGのソリューションサービスを介して、ユーザーのスマートフォンやPCに通知やデータの送信を行う。水位をモニタリングし、自治体や水利組合などへ警報メールによる通知を行うような運用が可能。水位センサー以外の、市販のセンサーを組み合わせて使うこともできる。

 同社のプライベートLoRa製品は10kmまでの通信が可能で、最大12局の中継により120kmまでの通信が可能。携帯電話の電波が届かない山間部の水源などの監視にも利用できる。250mWの高出力も特徴だとしている。

 センサー・カメラを備えた監視部は、太陽電池パネルとバッテリーによる電源装置を利用することで、電源がない環境でも運用可能。バッテリーの使用状況をモニタリングして電源容量をカスタマイズしたりできる。

 NSTGでは、ハードウェアの導入からソフトウェアサービスまで、同ソリューションの一貫した体制でのサポートを提供する。

水位データ監視画面のイメージ
同社のプライベートLoRa製品
ソーラー式電電装置と間欠制御+電圧計測装置