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出版デジタル機構、プリントオンデマンドの書店取次事業を開始

 株式会社出版デジタル機構(pubridge)は20日、プリントオンデマンド(POD)書籍データを出版社から書店に取り次ぐ事業を開始したと発表した。

 Amazon.co.jpの「プリント・オン・デマンドプログラム」、三省堂書店の「三省堂オンデマンド」と契約し、データ取次を開始した。取り扱い書籍は、旅行・観光に関する調査・研究機関である公益財団法人日本交通公社による専門書を皮切りに、出版社・ジャンルを拡大していく予定。

 pubridgeでは、出版社からPODデータを預かり、書誌情報とあわせて書店へ提供。各書店での販促支援、販売実績管理、出版社への売上分配を行う。また、紙の書籍、電子書籍、PODデータの制作を一元化するノウハウの提供など、出版社がPOD事業に参入しやすい環境作りも推進するとしている。

 pubridgeは2012年4月の設立以来、電子書籍の取次事業において出版社1000社以上、電子書店700サイト以上と提携し、27万タイトル以上の電子書籍データを流通させてきたという。pubridgeによると、国内出版社では現在、在庫負担の軽減のために過去の出版物の重版に慎重になっており、これを電子書籍で代替しようという傾向があるという。一方で、紙の書籍で読みたいというニーズもあるほか、書店においても在庫切れによる販売機会損失を避ける手段としてPODに注目しているという。

(永沢 茂)