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Amazon Web Servicesで膨大なIoTデバイスを司る「AWS IoT」発表

 米Amazonの傘下である米Amazon Web Servicesは8日、同社のクラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Services(AWS)」において、IoTデバイスをマネジメントするための新しいプラットフォーム「AWS IoT」を発表した。

 AWS IoTは、膨大なIoTデバイスから収集されるデータの保管、処理、解析が可能。集められた各デバイスのデータは、クラウド/ウェブアプリケーションなどで利用できる。また、AWS IoTのデバイスゲートウェイ経由で取得したデータに対して、システム側でどのように処理するかユーザーが設定できる「ルールエンジン」を実装。センサーが異常な数値を出した場合のみアラートを出し、それに対して指示を出すといったことが可能となる。

 ルールエンジンは、「AWS マネージメントコンソール」の「AWS コマンドラインインターフェイス」や、「AWS IoT API」を用いることで、ユーザーがデバイスのデータに適用できる条件を作成可能。このルールを使用することで、データを「Amazon Kinesis」「Amazon S3」「Amazon Redshift」「Amazon Machine Learning」「Amazon DynamoDB」など、AWSの各エンドポイントにルーティングできる。

 AWS IoTは、HTTPやMQTTをサポートするほか、すでにカスタマーが採用している他の業界標準プロトコルおよびカスタムプロトコルも包括的にサポート。デバイスの種類にかかわらず、AWS IoTと直接通信できるとしている。また、AWS IoTでは、接続されたデバイスの状態を把握しており、電源的な理由や故障などでデバイスがオフラインだった場合でも、再接続を行ったタイミングでデバイスから最新情報を送信できるよう、それぞれのデバイスを仮想化した「シャドー」と呼ばれる領域を作成。デバイスの最新状態を常に保存している。

 デバイス開発者に対してAWS IoTのデバイスゲートウェイとやり取りする「AWS IoT Device SDK」を提供し、アプリなどにSDKを実装することでAWS IoTのデータを利用できる。また、BroadcomやIntel、Marvell、Qualcomm、Texas Instruments、ルネサスなどのデバイスメーカーから、AWS IoT Device SDKを組み込み、AWD IoTとすぐに接続可能なスターターキットを提供するとしている。

(山川 晶之)