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シャープの大学教科書電子化システム、9つの大学で採用

 シャープ株式会社は、電子化された教科書を授業に活用する電子教材システムを全国大学生活協同組合連合会と共同で開発、4月より9つの大学における授業で採用されたと発表した。

 電子教材システムは、大学生協が促進する電子書籍「DECS(Digital Education Contents Support)」計画に基づき、大学における講義での専門的な学習を実現し、学生の能動的な学びを支援することで、学習効果を向上する目的で開発された。採用大学は広島大学、広島修道大学、桜美林大学、ほか6大学で、対象となる学生約8000名。

 提供される電子教材システムは、無償提供される専門書学習用のビューアーアプリ「VarsityWave eBooks」と、PDF/ePub(リフロー)からのフォーマットへの変換とDRM付与を行う電子書籍入稿システムからなり、いずれも大学生協と提携したシャープが開発を行っている。

 VarsityWave eBooksアプリには、付箋メモ、マーカー、しおり、手書きデータを自動的にリスト化して自作ノートを作成、任意のページをスクラップする機能を搭載。教員・学生間で手書きデータや学習情報を共有したり、複数書籍の本文を横断検索したり、専門辞書と連携して単語を調べることも可能だという。

 VarsityWave eBooksアプリで閲覧可能な電子書籍の販売サイト「VarsityWave eBooks」は、大日本印刷株式会社が開発、株式会社大学生協事業センターが運営を担当している。

 大学生協では、現在の高等教育では学生に「答えのない問題」に最善解を導くことができる力、すなわち課題探究能力の習得が求められているとして、そのために大学に求められる「教育の質の転換」に電子書籍・電子教材が大きな役割を果たすと説明。電子書籍事業について、大学教育改革のサポートを目指して推進するという。

 なお、電子教材システムは、5月18日から20日まで東京ビッグサイトで開催される「教育ITソリューションEXPO」に出展される予定。

(岩崎 宰守)