ウガンダで「Google SMS」開始、アフリカ特有のネット事情に対応


 米Googleは29日、アフリカの特有事情に配慮した情報サービス「Google SMS」をウガンダで開始したと発表した。

 アフリカでは携帯電話の需要が急速に伸びており、携帯電話の利用率はインターネットの6倍だという。人口の3分の1が携帯電話を保有し、それらの携帯電話を利用できる人数はさらに多いと思われる。ただし、携帯電話のほとんどは音声通話とSMSの機能しかついていない。「Google SMS」は、こうした事情に合わせ、SMSを使って地域の人々が必要とする情報を提供しようとする試みだ。

 「Google SMS」では、健康や農業、ニュース、天気予報、スポーツ、その他多くの情報を提供することを目的とする。利用するには、自由に単語を入力し、「Google SMS」宛に送信すればよい。Googleのアルゴリズムがキーワードを認識し、適切な答えを返す。

 ただし、SMSは160文字以内という制限があり、1メッセージあたりの送信料金も発生する。そのため、ユーザーにとっては適切な答えを得られることが非常に重要だが、「HIV」といった短い単語にどのような答えを返せばよいかを判断するのは容易ではない。これは実際にGoogleが受け取ったクエリの1つだという。HIVの症状や原因、予防、治療など様々な答えが考えられ、Googleでは今後もこの情報サービスの改良を続けていくとしている。

 また、SMSを使って商品やサービスを売買するためのマーケットプレイスアプリケーション「Google Trader」も含まれている。これによって、中古車や携帯電話、穀物、仕事などの取り引きを行える。アフリカでは身近な商店や人脈にしかアクセスできない人も多いため、情報が不足し、適切な価格で取り引きができないことも多いという。「Google Trader」によって、人々はより多くの商品にアクセスできるだけでなく、適切な価格で売買できるようになることが期待される。

 Googleは「Google SMS」を開始するために、貧困問題と闘う著名なGrameen Foundation、MTN Ugandaのほか、多くの地元組織と協力し、人々のニーズを把握し、適切な情報やコンテンツを提供できるようにテストを行ってきたと説明している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/6/30 13:06