慶應義塾高校1年のネットトラブル遭遇経験率は22.7%


インターネット上でのトラブル遭遇

 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科とデジタルアーツは19日、「青少年のインターネット・携帯電話利用に関するアンケート」の結果を公表した。

 調査は、慶應義塾高等学校1年の全生徒を対象に、「情報A」の授業前後で、筆記によるアンケートを実施した。期間は6月8日から12日。719人の有効回答を得た。

 PCの所有状況では、「家族共有」が67.3%、「自分専用」が25.7%、「共有か専用か不明だが利用中」が1%で、合計94%が家庭でPCを利用できる環境にあった。また、携帯電話の所有状況では、「専用1台」が96.1%を占めた。

 家庭でPCや携帯電話を利用する上で、両親とのルール設定について複数回答で尋ねたところ、「特にルールは決めていない」はPCで51.0%、携帯電話で43.3%だった。一方、「守るべき利用マナーを決めている」はPCで18.1%、携帯電話で24.8%だった。

 PCや携帯電話の利用に関する両親からの教育状況について複数回答で尋ねたところ、「特に教えてもらったことはない」はPCで45.8%、携帯電話で64.5%だった。「(特にインターネット上での)トラブルを回避する方法を教えてもらったことがある」はPCで14.3%、携帯電話で6.7%にとどまった。

 インターネット上でのトラブル遭遇については、「ない」が70.2%、「ある」が22.7%だった。「ある」の回答者にトラブル内容を複数回答で尋ねたところ、「ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺に遭った」50.3%、「思いがけないグロテスク画像を見た」48.5%が多かった。また、トラブル遭遇率をPCスキル別に見ると、「初級者」は12.4%、「中級者」は27.5%、「上級者」は41.6%で、スキルが上がるにつれて、トラブル遭遇率も高くなっていた。

 このほか、フィルタリングの重要性について、「情報A」の授業前後のアンケート結果を比較した。授業では、ウイルスによる被害、個人情報の漏えい、ネット利用犯罪の被害と加害、青少年インターネット利用環境整備法、インターネットの安全利用について教えている。その結果、「フィルタリングを利用すること」「トラブルの具体例を知っておくこと」「インターネットの仕組みを理解しておくこと」などの有効性認識率が授業後に上がっていた。さらに、両親との話し合いの必要性についても、授業後に認識が上がる結果となった。


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(野津 誠)

2009/8/20 15:18