GoogleがReCAPTCHAを買収、詐欺防止とOCR改良の一石二鳥


「reCAPTCHA」のサイト

 米Googleは、米カーネギーメロン大学からスピンアウトしたベンチャー企業の
米ReCAPTCHAを買収したと発表した。

 CAPTCHAとは、スパム目的などで悪質なプログラムが自動的にログインできないようにするための仕組みだ。コンピュータでは自動的に読み取れないが、人間には想像がつくような乱れた形状の文字を表示する。ReCAPTCHAが提供する「reCAPTCHA」では、これに一捻りを加え、悪事を防止するだけでなく、有用な目的のためにCAPTCHAを利用できるようにした。

 「reCAPTCHA」では、表示する文字を古い新聞や書籍からスキャンすることにした。これらの文字はインクや紙の質が悪化しているため、コンピュータが読み取ることは難しい。しかしCAPTCHAとして、大勢の人が正しい読み方を入力することにより、文字読み取り技術であるOCR技術を大幅に進化させることができる。

 Googleは、ReCAPTCHAを買収することによって、ボットプログラムやスパム、詐欺を防ぐだけでなく、Google BooksやGoogle News Archive Searchに使用されるOCR技術の向上に期待している。

 「reCAPTCHA」は、カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部准教授のLuis von Ahn氏が2007年に開発。2008年に企業としてReCAPTCHAを設立した。Von Ahn氏は今後もカーネギーメロン大学に籍を置くが、同時にGoogleのピッツバーグにあるエンジニアリングオフィスで働くことになるとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/9/17 12:07