文章を書くにはペンがキーボードに優る~米大学教授が研究論文


 文章を書くには、ペンで手書きする方が、キーボードを打つよりも優れているかもしれないとの研究結果が発表された。米ワシントン大学教育心理学教授Virginia Berninger氏の研究グループによる論文が、論文誌「Learning Disability Quarterly」最新号に掲載された。

 それによると、2年生、4年生、6年生の子供にエッセーを書かせたところ、キーボードよりもペンで書かせた時の方が、より多く、より速く書くことができたとしている。キーボードが勝っていたのは、アルファベットを個別に打ち込んだ時だけで、文章によって構成される長いエッセーの場合には、どの学年の子供もペンの方がより速く書くことができた。また、4年生と6年生に関しては、ペンで書いた時の方が、より完全な文章を書くことができたという。

 この研究は、書き手の考えを文字や文章に書き起こすときに使用される認識プロセス、いわゆる「筆写」能力について調べるために行われた。

 この研究グループによるこれまでの研究では、筆写能力は、書き手が長い文章を書く作文力と品質に影響を与えることを示していた。研究者らは現在、ペンで書く時と、キーボードで書く時になぜ言語に違いが生ずるのかを理解しようとしているところだ。

 Berninger氏は「大人の脳画像研究は、文字を形作る方が、文字を選んだり見たりするよりも勝っていることを示している。ワシントン大学による子供の脳画像研究は、連続する指が思考に関わることを示している。我々は、ペンで文字を書くことと、文字を選んでキーを押すことが、脳で考えることとどのように異なる仕方で関与するのかをより詳しく研究しなければならない」とコメントしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/9/17 14:00