Google マップ、住所候補からたどる「クリック検索」機能追加


クリック検索を開発したグーグルのソフトウェアエンジニア後藤正徳氏

 グーグルは12日、地図検索サービス「Google マップ」において、住所の候補をクリックしていくことで地図を検索できる機能「クリック検索」を公開した。

 「クリック検索」では、Google マップのページ左側に設置された検索候補の中から、都道府県、市区町村、番地などの順番でクリックしていくと、当該住所の地図を表示する。

 例えば、グーグル日本法人オフィスの住所「東京都渋谷区桜丘町26-1」を探すときは、「関東>東京都>さ>渋谷区>さ>桜丘町>26>1」と順にクリックすれば、目的の場所を地図上にピンで指し示す。

 また、地図をドラッグしたり、ズームイン・ズームアウトすると、それに合わせて現在表示しているエリア内の住所がクリック検索の候補に表示される。これにより、地図で見ているエリア内の住所を知ることも可能。なお、クリック検索情報は非表示にすることもできる。

クリック検索の利用イメージ

日本の住所体系にマッチしたUI

 グーグルは同日、Google マップに関する記者説明会を開催し、クリック検索の開発に携わった同社ソフトウェアエンジニアの後藤正徳氏が新機能の説明を行った。

 クリック検索は、「住所名が漢字の変換候補に出てこない」「長い住所を入力するには手間がかかる」「今見ている場所の住所がわからない」といった日本の住所検索における障壁を取り除くために開発したという。

 クリック検索のメリットについては、「キーボードレスで地図を見ながらクリックで住所検索できる」としたほか、「道路の名前を住所に使わない、世界的に見ても珍しい日本の住所体系にマッチしている」と説明。また、クリック検索の下に詳細情報を表示するため、「住所を探しながら周辺の写真も見られる」とした。

 技術面では、地図で表示している部分に含まれる住所のデータを整理してクリック検索の候補に出している。「シンプルで簡単な機能に見えるが、裏では複雑な計算を必要としている。地図をドラッグで移動したときに、それに合わせ、速いスピードでクリック検索の候補を表示するところもポイント」だという。

 なお、住所の表記は、地図を提供しているゼンリンのデータに基づいている。よって、「大字」などには対応せず、「一般的に地図で使われている住所名になる」とのこと。クリック検索は、日本独自の機能で、日本地図上のみで表示する。携帯電話向けの「Google モバイル」には対応していない。

日本の特殊な郵便番号にも対応

 このほか、9日に追加したWeb検索の「郵便番号検索」や、Google マップでの「トイレ検索」についても説明した。

 郵便番号検索では、例えば「郵便番号 千代田区三番町」と検索すると、検索結果ページに「102-0075」と住所に合致する郵便番号を表示する。逆に「郵便番号 102-0075」と検索すると、郵便番号に合致する住所も表示できる。

 また、同じ郵便番号が2つの住所を意味している場合や、大きなビルでフロアごとに郵便番号がある場合など、「日本の特殊な郵便番号にも対応し、日本のユーザーが使いやすいように開発した」という。さらに、Web検索結果から地図検索のページへアクセスして、当該場所を確認できるようにした。

 トイレ検索は、車いすの人や高齢者、小さな子どもを連れた家族が主に利用する多機能トイレを検索できる機能。特定非営利法人Checkの協力を受けて開発した。Checkは、多機能トイレ検索サイトを運営しており、ユーザーが登録したトイレ情報を提供している。グーグルでパートナー関連部門を担当する村井説人氏は、自社だけでは実現できないサービスをパートナーとともに提供していく方針だと述べた。

特殊な郵便番号の例ストリートビューでトイレ前の段差なども確認可能


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(野津 誠)

2009/11/12 15:12