ServersMan中国展開、「百度MP3検索」からのダウンロード機能も


フリービットの石田宏樹代表取締役社長CEO

 フリービットは11日、IPv6レイヤーネットワーク技術を利用して、iPhoneのストレージをサーバー化してインターネットに公開できるアプリの最新バージョン「ServersMan@iPhone 3.1.5β」を発表した。iPhoneの現在地を自動的にTwitterにつぶやく機能や、ServersManをインストールした端末同士をグルーピングして連携させるM2M(機器間通信)機能などを搭載した。

 現在、App Storeに申請中で、近日中に無料ダウンロード公開される見込み。iPhone 3G/3GSとiPod touch(要iPhone OS 3.0へのアップデート)に対応する。

iPhone内の写真のURLをTwitterに投稿可能

 Twitter連携機能では、一般的なTwitterアプリと同様に、テキストを入力してTwitterに投稿できるほか、ServersManアプリが取得したGPSデータをGoogle Mapsでマッシュアップ表示するURLなどを投稿できる。一定間隔でServersManが自動的にGPS情報を投稿する設定も可能だ。

 Twitter用のiPhoneアプリはすでに多数存在するが、ServersManを起動し、iPhoneをサーバー化した状態でつぶやけるのがメリット。例えば、iPhoneで撮影した写真や動画をServersManの公開フォルダ内に保存し、そのURLをつぶやくことでフォロワーがすぐさまアクセスして閲覧できるようになる。これまでは、TwitterアプリとServersManアプリは同時に起動できなかったため、こうした利用ができなかったという。

 M2M機能は、ServersManをインストールした複数機器をグループ化して認証管理する仕組み。グルーピング機能「Scooop」として実装している。撮影した写真をiPhone内に保存すると同時に、他のServersMan機器のストレージ内に自動的に送信・保存することが可能だ。例えば、自宅に設置したServersMan搭載のNASに自動的に保存したり、ServersMan搭載のフォトフレームやデジタルサイネージディスプレイにリアルタイムに表示するといった使い方が考えられる。

 「Scooop」機能は、ServersMan@iPhone自体に内蔵するほか、単独のアプリとしても配布する。iPhone用、Windows Mobile用、Android用に加えて、iアプリ版も配布するとしており、スマートフォンではない携帯電話からも、撮影した写真をServersManのストレージに自動送信できるようになる。


「ServersMan@iPhone 3.1.5β」のTwitter連携機能

中国にServersMan専用ゲートウェイを設置し、本格展開

 このほか、「ServersMan@iPhone 3.1.5β」では、中国限定で「百度MP3検索」との連携機能を提供する。同検索サービスのメニューが用意されており、検索したMP3ファイルをServersManのMusicフォルダにダウンロードして再生できるほか、写真などのファイルと同様、ServersManを通じてネット上で共有することも可能だという。フリービットでは、日本の「着うたフル」に近い感覚で楽しめるとしている。

 フリービットは11月、中国でServersMan事業を展開する「無錫自由位科技有限公司」を江蘇省無錫市に設立(「自由位」は「フリービット」の意味)。ServersManのIPv6レイヤーネットワークのゲートウェイである「SuperNode」を、同市内の「クラウドコンピューティングセンター」に設置し、中国向けのServersManサービスに本格的に乗り出した。百度との連携機能は、この中国SuperNodeを使用する端末に対して提供されるものだ。


「ServersMan@iPhone 3.1.5β」の中国向け「百度MP3検索」連携機能

Android版も公開、家電分野での展開を加速

 なお、ServersManは今回、iPhone版のほか、「ServersMan@Windows Mobile 2.2β」と「ServersMan@Android 2.0β」も公開された。ただし、iPhone版にあるTwitter連携機能は搭載していない。

 「ServersMan@Windows Mobile 2.2β」は、ServersManのWebサイトなどからダウンロードでき、Windows Mobile 6.5/6.1/6.0に対応する(Windows Mobile Standardエディションは未対応)。「ServersMan@Android 2.0β」は、Android 1.5以降に対応しており、「Androidマーケット」からダウンロード可能だ。


ServersMan各プラットフォームの機能比較

 「ServersMan@Android 2.0β」はすでに発表されていたものだが、今回、一般に公開された。11日に開催されたフリービットの決算説明会では、Android OSおよびServersMan@Android搭載のフォトフレームを、同社子会社のエグゼモードから2010年1~2月に発売することも明らかにされた。ServersMan@Androidの投入により、コンシューマエレクトロニクス分野におけるServersManの活用を拡大していく考えだ。


エグゼモードから来年発売する、ServersMan@Android搭載フォトフレーム(モックアップ)中国向けの「ServersMan M2M Gateway」。国内向け既存製品に、中国向けのデザインを施したという

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(永沢 茂)

2009/12/11 20:39