NICTの最優秀ビジネスプランに、ファンタジスタの「mixPaper」
最優秀ビジネスプランに選ばれた株式会社ファンタジスタの「mixPaper」トップページ |
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)主催の「平成21年度 情報通信ベンチャービジネスプラン発表会」が1月22日、東京・両国のKFCホールで開催された。この催しは有望なビジネスプランを持つICT分野のベンチャー企業と、市場関係者・ベンチャーファンドとのビジネスマッチングを支援する目的で開かれており、今年度で12回目。
当日は審査を通過し、発表会参加企業として選ばれた7社がビジネスプランのプレゼンテーションが行われ、審査(審査委員:安達俊久伊藤忠テクノロジーベンチャーズ社長ほか4氏)の結果、最優秀ビジネスプランとして株式会社ファンタジスタの「電子書籍投稿~配信サービス『mixPaper』」が選定された。
最優秀ビジネスプランを受賞した株式会社ファンタジスタの「電子書籍投稿~配信サービス『mixPaper』」は、「電子書籍配信のデファクトスタンダードを目指している。このためできるだけ早期に、より多くの利用者を獲得することが必要だと考えているが、まだ知名度が低く販路開拓に苦戦しているため、知名度の向上と技術・ビジネス提携先を得たい」(栗原弘樹代表取締役)という目的から参加したという。
「mixPaper」は、ページデータの形式としてJPEG、GIF、PNGを採用。画像ファイル形式を採用したことで、電子ブック用の専用ソフトなどが必要なく、一般の画像編集ツールだけで「だれでも簡単に電子ブックが作成できる」。投稿は、電子書籍として公開したい画像ファイルを用意してWebブラウザーからアップロードする。
ファンタジスタは、「電子書籍市場は前年比30%増と成長を続けているが、販売体系は従来の書籍販売と違いがない。一方、動画は企業による有料配信に加え、YouTubeを中心として個人からの情報発信などが世界的に普及し、新しい市場を生み出している」と電子書籍と動画共有サービスの市場の違いを説明。
こうした背景から、YouTubeを先行事例として、個人、法人を問わず手軽に電子書籍を作成、配信できるWebサービス「mixPaper」を開発したと述べた。ファンタジスタでは、まず、無料で電子書籍を個人が作成して配信できる仕組みを広げ、個人ユーザーを取り込むことで電子書籍配信の業界標準を目指し、その上で、有料のオプションサービスや広告配信で収益を上げることを考えているという。
やはり選抜されてプレゼンテーションを行なった、ことのは出版株式会社は「デジタルコンテンツオーディオブック」「デジタルコンテンツオーディオブック」は朗読をデジタル化した、音声付きの電子書籍だ。Amazon Kindleのヒットで、2010年は電子書籍元年とも言われる市場を反映したプレゼンテーションとなった。ことのは出版では、オーディオブックをAPP Store、Android MarketのストアやKindleなどの電子書籍端末に配信し、「日本で初、唯一のオーディオブックの流通網の形成」を目的にしている。
そのほかの6社は、株式会社PAPUNAが韓国の芸能人情報を提供し、韓国芸能人に顧客のメッセージ(翻訳付)と花を届けるサービス「韓花事業(ハンコッジギョウ)」、三三株式会社が名刺クラウドサービスの「Link Knowledge」、株式会社キャトルアイ・サイエンスがプライベートクラウドを構築でき、商用PaaSサービスとの連携も可能なRCM(R&D Chain Management)、株式会社アイシンクスが東京農工大学中川研究室と共同開発した手書き認識技術、マネジメント&ライツ合同会社が、無化学肥料の野菜生産者が集まった予約直販モール事業のプレゼンテーションを行なった。
関連情報
(丸山隆平)
2010/1/25 17:32
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